メルセデス・ベンツ Cクラス アバンギャルド
メルセデス・ベンツ Cクラス エンジン

エンジンは1.8Lの直4スーパーチャージャー付き、それと2.5Lと3LのV6をラインアップ。どのエンジンを選んでもメルセデスらしい走りが味わえる。

メルセデス・ベンツ Cクラス アバンギャルド ホイール

メルセデス・ベンツ Cクラス エレガンス ホイール

アバンギャルドは見た目にもスポーティな17インチの前後異径ホイールが標準装備。エレガンスは落ち着いた雰囲気の16インチタイヤ&ホイールとなる。

メルセデス・ベンツ Cクラス 走り

エンジンに対してシャーシが勝っているので、サーキットでも安定感が高く安心して走ることができる。

メルセデス・ベンツ Cクラス 走り

メルセデス・ベンツ Cクラス 走り

メルセデス・ベンツ Cクラス 走り

スタイル インテリア 走り&メカニズム

歴代で最も俊敏な走りを手に入れた

 新型が歴代Cクラスともっとも異なる点が、走りである。コンセプトは「アジリティ」。ここ数年、自動車開発者の中ではある種の「流行言葉」となった感のあるキーワードで「ニンブル」ともいい、あえて日本語に訳するなら「俊敏さ」となるだろうか。アメリカ市場における外国車の必須条件としても有名な言葉だ。たとえばスカイラインがV35からキビキビ走るようになったのも、北米市場を考慮してニンブルなハンドリング設計を行ったからである。
 新型Cクラスのアジリティを主に支えるのは、高剛性ボディと油圧式可変ダンピングシステム、そしてラック&ピニオン式パラメーターステリアングだ。ノーマル(エレガンスとアヴァンギャルドでは中身は同じ)で14.5、アヴァンギャルドSで13.5というステアリングギアレシオは、メルセデスとしては異例にクイックである。このことは、乗ればすぐに誰もが理解できると思う。特に、従前からのベンツオーナーであれば、驚くだろう。中にはピーキーに思う人も居るやも知れぬ。それほど、ステアリングが速い。

高速道路での安定性とシャープなハンドリングを両立させた

 町中では、ボディの強さとキビキビとした前輪の動きとが相まって、とても今風の乗り味である。アウディあたりに近い雰囲気だ。4気筒で鼻先が軽い200Kでは特にそうで、逆に300はさらにクイックではあるけれど適度に重厚感がある。動きにおっとりさがなくなった分、加速フィールは打てば響く明快さで、すべての動きがリニアである。初めてベンツな人でも、これはこれで「べンツはすごい」と感じ入ることになるだろう。
 ワインディングに行けば、俊敏なステアリングフィールと剛直なブレーキフィールで、誰もが安全で素直なスポーティドライビングを楽しむことができる。BMWよりもピーキーではなく、安心して駆けぬけることができるだろう。
 そして、高速道路では、これまでどおりの安定感を見せる。

●お勧めグレード

 ひと言で言って、今の時代のベンチマークとなるサルーンだ。不満らしい不満はないけれど、あえて言えばパワートレーンがキャリーオーバーであり、有り体な燃費改善以外に環境性能面での見所が少ない。もっとも、実燃費が優秀なベンツだけに、懐的には問題ないが。このあたりはマイナーチェンジに期待である。
 250には未試乗ながら、今のところ皆さんにおすすめしたいベストチョイスはC200Kアヴァンギャルドである。個人的にはエレガンスの古風な雰囲気を好むが、せっかく手に入れた押しの強さ=アヴァンギャルドを楽しまない手はないと思う。

代表グレード
C250アバンギャルド
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4585×1770×1445mm
車両重量[kg]
1540kg
総排気量[cc]
2496cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
204ps(150kw)/6100rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
25.5kg・m(250N・m)/3500-4000rpm
ミッション
7速AT
10・15モード燃焼[km/l]
11.2km/l
定員[人]
5人
税込価格[万円]
570.0万円
発売日
2007/6/22
レポート
西川 淳
写真
高木博史
スタイル インテリア 走り&メカニズム