スポーツマシンと感じさせる様々な専用装備
プジョー207は先にGTとシエロが発売されているが、今回はこれによりパワフルなエンジンを搭載したGTiとクーペカブリオレのCCが追加された。来年追加予定のSWによって207シリーズが完成することになる。
３ドアハッチバックボディの外観デザインは、GTi専用のものがいろいろと用意されている。ヘッドライト、ドアミラー、大型リヤスポイラー、ツインエグゾーストパイプ、17インチタイヤなどがそれ。インテリアも４シーターのフルバケットシート、アルミ製のシフトノブ＆ペダル、アルカンターラ仕様などがある。中でもバケットシートはサイズも十分でしっかり体を支えてくれるものだ。
GTiに搭載されるのはGTと同様に1.6Lの直噴エンジン＋ツインスクロールターボで、チューニングの違いによって128kW/240N・mのパワー＆トルクを発生している。GT用のエンジンは110kWだったから、150psから175psになったわけで、かなりパワーアップされたのが分かる。これと５速MTとの組み合わせだ。
アクセルを踏み込んだときのターボの効きは十分な力強さを感じさせるもの。背中を押されるようなどっかんターボではないが、気持ち良く加速が伸びていく。
暖機がすんで３速から５速のギアを使い、アクセルを全開にするなどの条件がそろったときには、オーバーブースト機構が働いてトルクを高める設定も用意されている。高速道路での追い越し加速などでは特に効果を発揮する機構である。
足回りもGTi専用のチューニングが施されているため、乗り味は相当に硬めのものとなる。ポテンザの17インチタイヤも含めて、デートカーには使いにくい感じの硬さだが、ワインディングなどでの安定感は十分。軽快にコーナーを受け抜けていくことができる。
プジョーの主力モデルである207シリーズのフラッグシップとなるのがこのGTiだが、３ドアハッチバックのボディで５速MT車だけの設定となると、さすがに日本ではたくさんの販売は見込みにくい。最近の日本ではハッチバックといえば５ドアだし、若いユーザーはマニュアル免許を持っていないのが普通だから、買うユーザーは限られると思う。フランス車にMTで乗るユーザーは確実に存在するが、たくさんはいないのが実情だ。
また同じエンジンを搭載するBMWのミニが６速ATやMTを採用しているのに、５速MTだけという設定もやや不満。日本で売るにはAT車も必要だし、GTiのプレミアム性を強調するなら６速MTが欲しいところだ。320万円の価格がさらに高くなるにしても、６速仕様のATやMTがあったほうが売れるのではないか。
