日産 FQC外観

さらなる品質改善を目指す!

 日産は、同社の日本および一般海外地域における品質レベルの更なる向上を目指す「フィールド・クオリティ・センター(Field Quality Center: FQC)」を、本年2月開設し、この度本格稼働したと発表した。FQCは、同社の開発拠点である、神奈川県厚木の日産テクニカルセンター内に設置され、品質、開発、生産部門、及び、サプライヤーとの連携を密にすることで、品質改善に取り組んでいる成果が開発中の商品に、反映しやすくするという。

アライメントテスター

 同社は、製品品質に対する方針を定めており、この方針の下、各国市場で発生した不具合やリコールに対し、迅速に対応策を打ち出し、品質改善を推し進めている。その成果を開発中の商品にも反映することで、今後世界に投入する商品の品質向上を目指している。FQCは、その活動の一端を担う施設として設立されたとのこと。

 FQCでは、三現主義に基づき、市場で発生した不具合現品を回収し、FQCに常駐するサプライヤー各社と協働で問題を解析し、迅速に対応策を講じている。三現主義とは、現場・現物・現実の3つの現を重視することで、問題が発生した時に、現場で不具合の起きた現物を観て、どのような状態であるのか(現実)を確認することで解決を図ることである。このような迅速な対応によって品質レベルの飛躍的な向上が図られており、不具合現品を従来の約4倍量回収することを目標としている。

エキシビジョンエリア
部品管理エリア
3Dマイクロスコープ

 同社では、中期経営計画「日産バリューアップ」の期間中、品質レベルをグローバルでベストレベルに引き上げることを計画しており、米国(スマーナ、ファーミントンヒルズ)並びに欧州(英国クランフィールド)の計3拠点にもFQCを2006年度に開設している。

 同社は、横浜市の新子安事業所で市場の品質改善に取り組んできたが、より開発拠点との密な情報共有を目指し、その機能をテクニカルセンターへ移転した。2007年6月には、品質改善のため44軸加振機などの大型設備の設置工事が完了し、FQCの体制を整えた。

 FQCの投資額は、約9億円、敷地面積は4400�、従業員数は210名。日産圏内の各工場生産部門、またサプライヤーが常駐できるエリアを用意しており、約10社が協働で品質改善に取り組んでいるという。