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- ボルボと言えば高い安全性で有名!
- 大人の身体に発達していない子供の身体は柔らかく、弱いもの
- 大人用のシートベルトでは、衝突した時に致命的なダメージを受けてしまうことも!!
ボルボと言えば高い安全性で有名!
ボルボは安全に関する研究に熱心な自動車会社として有名だ。今回は「ボルボ・チャイルド・セーフティ・セミナー」で子供の安全性をいかに確保するかという研究成果を披露してくれるというのでスウェーデンまで足を伸ばした。3回に分けてレポートする。
大人の身体に発達していない子供の身体は柔らかく、弱いもの
まず「子供の身体は大人の縮小版ではない」ことによる問題点を小児外科のドクター・レナ・フランツェンから教わった。
生まれたての子供の頭はその身長の4分の1になる。徐々に身長は伸びていくものの、身長を同じにして比べると子供の頭は大きい。大人と同じ8分の1になるのは大人と同じ身長にならなくてはならない。
子供と同じ体型は大人が10kgのヘルメットを被ることで体験できるという。
頚椎のひとつひとつの骨も大人と違って平らで、まだ硬くなっていない。だから弱いという。
これらにより子供をチャイルドシートに座らせてクルマに乗るとしても、前向きでは、正面から衝突したときに重い頭が前に行こうとし、頚椎はそれを支えきれない。レントゲン写真で頚椎の2番目と3番目が8cmも離れているのを見せてもらった。もちろんこの子は生きていない。
だからなるべく長く(3歳か4歳まで)後ろ向きに座らせることが子供の安全になるという。広い面で頭と背中を受け止める大きなバックレストによって子供は衝突の危険から守られるのである。
大人用のシートベルトでは、衝突した時に致命的なダメージを受けてしまうことも!!
もうひとつ子供の身体で違うところは骨盤である。子供のうちはまだ腸骨が出ていないから骨盤が丸い形をしている。大人用のシートベルトをそのまま子供がすると衝突した際にベルトが骨盤に当たらず腹部に食い込んでくる。これは肝臓やすい臓などの内臓破裂を引き起こす。激しい衝突のときには脊椎までベルトが食い込んでいき、骨がずれてしまうという例を見せてもらった。
身長が140から150cmくらいになるまではチャイルドシートに座っていないと、衝突したときに致命的なダメージを受けてしまう可能性が高くなるという。