2007/04/06 08:41

 【ニューヨーク5日共同】ドイツ米自動車大手ダイムラークライスラーに対し、米著名投資家カーク・カーコリアン氏が運営する投資会社トラシンダが、経営不振の北米部門クライスラーを45億ドル(約5300億円)で買収すると提案したことが5日分かった。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が報じた。

 クライスラーの売却先には、カナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナルや米投資ファンドなどが挙がっているが、買収提案が明確になったのは今回が初めて。ダイムラーは4日、株主総会で売却交渉を進めていることは認めた。

 同紙が報じたトラシンダからダイムラー経営陣に当てた5日付の書簡によると、トラシンダは、退職者の医療費などをダイムラーが一部負担することなどを前提に長期的視野でクライスラーの経営再建に当たる用意があると表明した。

 カーコリアン氏は1998年のダイムラー・ベンツとクライスラー合併前のクライスラーの筆頭株主で、以前にもクライスラー買収を試み、それがダイムラーとの合併を誘発、30億ドルの利益を得たとされる。

 米最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の主要株主として、昨年、フランスのルノーと日産自動車連合との提携を求めたが、GM経営陣の反発で断念、GM株を手放した。

( 共同通信 )