【ノバイ(米ミシガン州)12日PRN=共同JBN】米ミシガン州ノバイにあるマーレパワートレイン社の1事業部門であるマーレテストシステムズは12日、自動車組立工場のインライン・テスト実施に使う新しいビークル・パワリング・ポータブル(VPP)テスターの発売を発表した。新しいテスターは内蔵型のバッテリーパックを利用し、同社の一連のウインドウズCE搭載可搬テスタープラットフォームでの使用向けに設計されている。
 マーレテストシステムズのベン・シャイリー・ディレクターは「新しいVPPテスターは、これまでは生産ライン終端にてレール移動型テスターを使って行われていたモジュールプログラミングと検証テストに対して、組立工場のフロア空間の節約を支援する。同テスターは、これまではできなかった組立ラインの柔軟性とコスト削減の機会を提供する。車両に十分な電力を供給することによって、どのような車両の診断検査テストも実行できる」と語った。
 VPPテスター新製品は、車両のバッテリーが据え付けられる前の組立プロセスの早い段階で、電子モジュールのプログラムミングとテストに利用される。この処理はこれまでは組立ラインの終端もしくはレールで移動するインライン・ステーションのいずれかにある機器を使って、技術者の手で行われてきた。新しいVPPテスターによってその様な終端テスト、レール型テストステーション用のスペースを削減する事が出来、人的資源とかなりの額の設備投資を節減することができる。
 VPPテスターは、外部スキャナーを使わずに車両のバーコードを読み取るなど、統合スキャン機能を持っている。その外部バッテリーは一度の連続使用におけるテストパラメータに依存するが、8時間シフト分の電力を供給することが可能。バッテリーパックは取り外し可能で、約1時間で完全に再充電することができる。VPPはまたユニットとして充電することができる柔軟性を備え持つ。
 マーレテストシステムズのスコット・ボルト製品開発マネジャーは「VPPテスターの最大の利点は、組立工場に対する透明性である。組立工場は、テストプロセスを大きく変えずに、大きく異なるテスト要件を持った異なる車両に対する自動車年度モデルの切り替えを実施することができる。このバッテリー技術に対するわれわれの経験は、北米全域で昨年の組立工場操業中に、素晴らしい結果を示した。

 マーレグループは2005年、世界の自動車産業に対するパワートレーンと検査エンジニアリング・サービスのコンサルタント企業で有力サプライヤーであるコスワース・テクノロジー社を買収し、マーレパワートレイン社を設立した。マーレパワートレインは米ミシガン州ノバイ、英国のノーサンプトン、ウェリングバラ、ウースターにあるオフィスで600人を雇用している。同社はパワートレーンの設計、開発、システムインテグレーションにおけるエンジニアリング・サービスからエンジン部主要部品の鋳造、機械加工を含む完全なエンジン製造まで多方面の能力を取り混ぜて、自動車エンジニアリング・サプライ・サービスで際立った企業である。
 マーレテストシステムズはマーレパワートレインの1業務部門で、製造ライン終端の検査エンジニアリング・サービスとシステムを提供し、新しい車両モデルの開発、製造、認定ディーラーによるサービス用製品、アフターマーケット向け診断検査システムなど、現在世界の多くの分野で利用されている。
 マーレグループ(ドイツで創業)は、内燃エンジンと周辺機器すなわちピストンシステム、シリンダー部品、バルブトレーンシステムから空気管理システム、流体管理システムまで、自動車部品とシステムで世界をリードするメーカーのひとつである。マーレは80余りの製造工場と7カ所の研究開発(R&D)センターに約3万7500人を雇用し、2006年の売上高は約43億ユーロ(約56億ドル)が見込まれ、世界的にはトップ30社の自動車部品・システム・サプライヤーにランクされている。
 マーレパワートレインと親会社の製品部門、R&Dセンターを合わせたリソースは、完全製造を通じたコンセプトデザインから完全統合されたパワートレーン・システムまでの個別の部品で顧客をサポートする世界的な能力を提供している。

( 共同通信PRワイヤー )