日常的に使用できる商品として期待!

 サーブ・オートモービルABは、「アルコキー」により、飲酒運転防止に大きく貢献したとしてスウェーデン自動車協会よりArets Hjulklapp賞(今年のベストクリスマス・プレゼント賞)を受賞した。今年で7年目になる同賞は、交通安全、自動車安全および環境保護の分野において、革新的なソリューションを提供し、顕著な功績があった個人や団体を表彰するために創設されたもの。

 スウェーデンは、欧州の中でも最も交通安全対策が進んでいる国のひとつであるが、昨年2005年においても、国内で発生した交通死亡事故の約35%が飲酒によるものと、深刻な問題となっているという。こういった状況を背景に開発された「アルコキー(AlcoKey)」は操作が容易であることから、日常的に使用できる商品として同種類のシステムとしては初の大量生産が期待されている。

 アルコキーは、携帯電話よりも小さくスリムな形状をしている。本体にはマウスピースの付いた、跳ね上げ式カバーがついており、エンジン始動前にドライバーが息を吹き込むことで呼気中のアルコール濃度を測定し、無線で車載電子制御ユニットに信号が送られる。アルコール濃度が法定許容範囲内であればエンジンが始動し、許容範囲を超えている場合は始動しないという仕組みになっている。

 スウェーデン自動車協会は、「交通事故を減らす効率的な方法のひとつが、新車にアルコール・ロックシステムを標準装備することである。システムのコストを抑えながらユーザーフレンドリー性を持たせ、さらに優れた技術を提供するために、自動車業界は同システムの開発を積極的に推し進めていく必要がある。サーブのアルコキーの開発と実証テストは、より安全な交通社会の実現に向け戦略的に重要な役割を果たすと同時に、自動車業界全体における競争の活性化にも大きく貢献している」とコメントしている。