安全を最優先とし、中古車としても一切販売せず

 マツダと同社の北米事業統括会社マツダ・ノース・アメリカン・オペレーションズ(MNAO)は、今年7月下旬にアリューシャン列島南方海上で大きく姿勢を崩し航行不能となった自動車運搬船「クーガーエース」に積載していた米国およびカナダ向けのすべてのマツダ車を廃棄することを決定したと発表した。

 MNAOのジム・オサリバン社長兼CEOは、「米国と日本のR&Dセンターのエンジニアが車両の損害状況を厳しく検査した結果、お客様の最善を考えた最適な処置として、全積載車両4,703台を市場に流通させないという結論に至った。この決断がマツダブランドの維持向上につながると確信している」とコメントしている。

 クーガーエースは、事故後およそ1ヶ月に渡って60度以上傾いた状態で浮揚しており、船体姿勢の立て直し後、米国オレゴン州ポートランド港に曳航され、荷降ろしと船体修理が行われたという。

 また、オサリバン社長は、「クーガーエースに積載されていた車両の中には長期間に渡って、急傾斜の状態で固定されていたにもかかわらず、外見ではまったく損傷のないものや、その程度が僅かなものもあったが、お客様の安全を最優先とし、中古車としても一切販売しないこととした」とコメントしている。