クルマの塗装面から始まり、足回りや細部の水洗いの基本をお伝えしてきましたが、今回は水洗いやシャンプーといった洗浄作業やワックスなどの保護皮膜形成がキビシイ部位のお手入れ方法をお伝えいたします。

水なしワックス活用法その1 ドアエントリー部分

 外装をいくらキレイに磨いていても、ドアを開けた瞬間、ドロ汚れがビッシリなんてことがよくあるドア、エントリー部分。この部分も基本的にはドアを開いての作業になりますので、ホースで水を掛けながらというわけにはいきません。下手したら、車内はずぶ濡れですからね。
 そこで、市販の「水不要」と謳ったスプレータイプワックスを活用しましょう。基本的には、洗浄したい部位に吹き付け、布で伸ばすだけといった簡単な作業のため、拭き取りも不要。この部位の汚れは粒子状のものが主なため、比較的簡単に除去が出来ます。通常の洗車の時に水分を拭き取る際にも、撥水効果が生まれるため作業が容易になりますよ。

水なしワックス活用法その2 ウェザーストリップ周辺。

 この部位も汚れが溜まりやすいのですが、ついつい見て見ぬふりをしてしまうと思います。ドアとゴムの圧着によって車内に降雨などの進入を防止する役目をしていますが、隙間にはしっかり塗装が施されております。しかし、ドア、エントリー同様、水をバシャバシャ掛けるわけにはいきません。そこで、汚れ落とし効果とワックス効果を備えた水なしワックスを多めに吹き付け、ウェザーストリップ裏側からめくるようにドアの形状に合わせて塗り込んでいきます。
 通常は拭き取り不要ですが、降雨によって運ばれてきた砂汚れなどがかなり滞積していますので、2、3回作業を繰り返し、仕上げにキレイな布で磨き上げましょう。
 次回の洗車からは、サッと合成セームで拭き上げるだけで、簡単に水分や汚れが除去できます。また、ウェザーストリップのゴムの保護もできますので、こまめにお手入れをすることでゴムの弾力を保ち、気密性も守られます。(ココが痛むと雨漏りの原因になりますよ。)

水なしワックス活用法 その3 ラゲッジ樋部分。

 以前、友人のクルマを洗車した際にこの部位を洗浄しようとしたところ、ドロと落ち葉が滞積し、「団子虫の住居」と化していたというおぞましい経験を思い出しました。一般的にこの部位は「放置プレイ」にされることが多いのが原状です。さすがにこれは極端な例ですが、ドロなどが滞積している場合は、まず軍手などで十分にこれらの堆積物を掻き出してから、水なしワックスを汚れに浸透するまでスプレー。そして根気よく繰り返し拭き上げ、布がきれいになるまで作業を続けます。
 

水なしワックス活用法 その4 エンジンルーム樋部分。

 ラゲッジルーム以上に開閉の機会が少ないエンジンルーム。樋の部分は降雨によって運ばれたホコリ、ドロにしつこい油埃が加わり、容易には除去できない状態になっていることもあります。
 新車の状態からこまめに水なしワックスを塗布していれば、きれいな状態を持続できますが、年単位でお手入れをしていない場合は他の方法で除去するしかありません。以後このコーナーではエンジンルーム洗浄も実施していきますのでその際にご伝授いたします。

 一通り、外装の水洗い作業が完了ました。次回からはいよいよ塗装面の下地処理作業が始まります。くたびれたクルマも新車のような光沢が蘇りますよ!