VOCの燃焼エネルギーを有効利用するコージェネレーションシステム

 日本電技、藤森工業、トヨタタービンアンドシステム、トヨタ自動車の4社は、300kw級マイクロガスタービン(MGT)コージェネレーションシステムを応用したVOC(揮発性有機化合物)処理システムを開発し、「マイクロガスタービンVOC処理システム」として11月28日より販売開始すると発表した。

 このシステムは、今般の大気汚染防止法の改正で規制強化されたVOCの除外処理を目的に、4社共同で特許出願を行うとともに、TTSが製品化しているMGTをベースに共同開発されたもので、MGT内でVOCを燃料処理し、その燃焼エネルギーを有効利用しながら電力(発電出力285kw)と蒸気(発生量1.7t/h)を作り出すため、VOC処理装置導入コストの回収が可能となり、顧客の経済負担軽減と環境負荷の低減にも効果を発揮するとのこと。

 VOCは、呼吸器疾患や植物の成長に影響があるとされる「浮遊粒子状物質」や「光化学オキシダント」の原因物質の一つであり、工場・事業所等の固定発生源から大気中に年間150万tが放出されているが、この対策の一環として、2004年5月に大気汚染防止法が改正されている。

 大気汚染防止法の改正では、「塗装関係」「印刷関係」「接着関係」「化学品製造関係」「工業用洗浄関係」「VOC貯蔵関係」の6つの施設がVOC排出量が多い施設として分類され、このうち相当程度の規模の工場・事業所等の設備が規制対象となっていて、規制対象施設には2006年4月から届出・測定の義務が課せられ、また2010年4月以降は排出基準遵守義務が課せられるという。

 日本電技・TTSは、このシステムをまずは「印刷関係」「接着関係」を中心とした施設に販売を開始し、他のVOC規制対象施設にも順次拡大していく方針とのこと。

 なお、日本電技・藤森工業、TTSの3社は、11月29日(水)〜12月1日(金)にパシフィコ横浜で開催される、第3回製造業環境エネルギー対策展に共同出展し、本システムの紹介を予定している。