「リアルタイム4WD」に変更点が
今回のフルモデルチェンジではデュアルポンプ式のリアルタイム4WDに変更が加えられ、ワンウェイクラッチを設けることによって反応速度を大きく改善したという。これによって雪の坂道などで発進しにくいという弱点が改善されたとのことだ。ドライのオンロードでの試乗だったため、リアルタイム4WDの反応を確認することはできなかったが、4WDシステムの改善は歓迎しておきたい。
エンジンのパワーアップで高級車ライクに
搭載エンジンは直列4気筒2.4LのDOHC i-VTECで、電子制御5速ATと組み合わされる。これは基本的に従来のモデルと同じ仕様である。エンジンの動力性能がわずかに向上しているが、トルクの数値は同じであり、5速ATも従来と同じだ。なので、走りにフィールに関してはこれといって特徴的なところはないのだが、全体に軽快感のある走りが印象的。CR-Vを走らせているとSUVに乗っているような印象ではなく、セダンライクな走りのフィールが得られる。
それを狙ってのクルマ作りを徹底したとのことだが、狙いは十分に成功していると思う。これは動力性能よりも足回りの安定感によって得られるもので、コーナーでロールの少ない安定性を感じさせるほか、オンロードを走っているときの落ち着いた印象は正にセダン感覚といえる。そしてこのことが、CR-Vをひとクラス上のクルマにした印象につながっている。
●まとめ
新型CR-Vの価格はグンと高くなった。従来の最上級グレードより、今回の廉価モデルのほうが高いのだから、価格アップがフルモデルチェンジの大きな意図だったのかと思わせるほどだ。
価格が高くなったのは、すでに書いたような装備の充実化がひとつのポイントだし、ボディサイズの拡大などによってひとクラス上のクルマに位置付けられるようになったことなども影響している。
車格や装備の向上があるとはいえ、4WDの中級グレードにHDDナビなどをオプション装着すると価格は簡単に300万円を超えてしまう。ちょっと手の届きにくいところまで行ってしまったような印象があるのも確かである。またプリクラッシュセーフティを標準装備した最上級グレードがどれだけ売れるかも注目されるところだ。