米ゼネラルモーターズ(GM)は、10月11日、GM社外取締役 ヨーク氏の辞任についての発表を行った。ヨーク氏は10月6日に辞任の申し出をし、同日受理された。

 取締役会の指揮のもと、北米事業部門の再建に尽力した結果、一部のアナリストの考えていた水準を大幅に上回る成果をあげた。GMは、医療・年金関連問題や生産能力の問題、時間給従業員の削減、ホワイトカラー従業員及び幹部社員数の見直しや福利厚生、資産売却や流動性増加、主要商品の導入加速、業界で最も優れた保証制度の導入、マーケティング戦略の刷新など、多くの改革を実施してきた。2006年末時点における年間ベースで90億ドル超のコスト削減、および2006年上半期での過去最高収益を達成している。

 また、経営破綻したデルファイ問題の解決、第4四半期でのGMAC株売却交渉の完了、GMヨーロッパの再生、アジアおよび南アメリカ地域を中心とした継続的な利益成長などにも取り組んでいる。

 ルノー・日産との提携協議打ち切りについては、ヨーク氏を含めGM取締役会の全会一致によるものであり、3社すべての経営陣による相乗効果の評価やファイナンシャルアドバイザーによる提携へのアドバイスを含めて決定されたとのこと。GMとしても大きな相乗効果が見込めるという同意はあったものの、その内容はルノー・日産側に非常に大きく偏ったものであり、GMとしては受け入れ難いものであった。またGM株についても、株式売却による他のOEMと資本提携をする可能性がなくなるといった影響も懸念されたほか、ルノー・日産側は取引に際し一切のプレミアムを支払う意図はない旨を明示していたという。