軽便なシステムにより成り立つハイブリッド
ハイブリッドシステムはプリウス用などのような高価なシステムではなく、エンジンとトランスミッションの中間に電気モーターを挟んだシンプルな構造のもの。プリウス方式ではなくホンダ方式と考えれば良いかも知れない。このモーターによって通常の自然吸気エンジンをアシストをするもので、電気モーターだけで走るEVモードは設定されていない。トランスミッションも通常の電子制御4速ATが組み合わされている。
発進加速のときなどにモーターアシストの効果がはっきりと出る。ターボ車並みの加速というほどではないが、自然吸気の660ccエンジンでは1t級の1BOXボディを引っ張るのは相当に辛いはずだが、モーターアシストによって必要十分な加速が得られる。アシストが得られるのは時速50km/hくらいまでで、それ超えた領域でのクルージングはモーターだけで走るようになる。
完成度は今一歩のところ
加速時の室内騒音はけっこう大きめ。内装材だけでなく、防音材、遮音材などがワゴンほど十分ではないからだ。アシストするモーターの音もしっかり聞こえる。
逆に静かになるのが停車時。当然ながらアイドリングストップ機構が組み込まれているので、信号待ちなどのときはとても静かだ。ブレーキペダルから足を話してアクセルペダルを踏むと、すぐにエンジンが始動するが、このフィールもまずまず。
アイドルストップなどはが効果を発揮して標準車に比べ50%くらいの燃費向上になるという。正式な燃費はライトバン仕様である上に、現在はまだ改造申請による持ち込みで届け出をする形のため、発表されていない。
●まとめ
ハイブリッドカーとしてはそれなりに仕上がっていたが、標準車で100万円程度で買えるハイゼットのハイブリッドカーが221万5500円と言われても、ちょっとなぁ、という感じだ。実際に買う場合には条件によって30万円程度の補助金が受けられるが、それを含めて考えてもちょっと高すぎる印象。
ダイハツとしても一般ユーザー向けの商品としては考えておらず、官公庁の環境関係部署や環境重視企業などを販売先として考えているとのことだ。
一般ユーザー向けの商品にするには、まだまだいろいろな努力が必要だが、その一歩とするためにもこうした段階で商品として発表することは必要である。その意味での意義のあるクルマだった。