対角線の延長線上で視線をクルマの高さに

賢い中古車の選び方!Part10「最初は遠くから、次いで近づいて判断する」

 中古車の外装を判断するには、まず少し離れた位置からクルマを眺めてみる。中古車販売店の多くはぎっしりクルマを選べていることが多く、そんな遠くまで引いて見られないことも多いのだが、最初は5m〜10mくらい離れた位置からぼんやりと眺めるようにクルマの塗装を見ると良い。
 それもクルマの対角線の延長線上の斜めの位置でしゃがみ込み、視線をクルマと同じ高さにして見るとさらに良い。

 このときに注意したいのは、クルマを見ようとするのではなく、クルマのボディに映り込む景色を見るようなつもりでチェックするのだ。クルマのボディは平面ではなく、さまざまな曲線、曲面が使われたデザインになっているから、映り込む景色がフラットなものであることはないが、修復歴のあるクルマなどだと不自然に景色が歪んで見えることがある。
 そんなクルマを見つけるために遠くから見るのであり、不自然なクルマがあったら近づいて入念なチェックをすることになる。

小キズはあまり気にしなくてもよい

 遠くから見てOKだったら、次は近づいてチェックをしてみよう。クルマに近づいたら見るべきポイントはいろいろある。ボディの外装ではまず気になるのがキズだろう。
 実際には、ボディの小キズなどは大した問題ではないことも多いのだが、キズのあるクルマに比べたらキズのないクルマのほうが良いのは当然のこと。慎重にチェックしよう。ただ、完全にキズのないクルマは逆に怪しいと思わなければいけない。あまりにキズが多かったために展示する前に直したものと思われるからだ。そんなクルマはさらに入念なチェックが必要になる。

 クルマのボディでキズが付きやすいのは四隅の部分。でもバンパーの角が少々擦れているとか、ドアミラーの先端に擦りキズがあるとか、ドアに小さな凹みがあるくらいはあまり問題視しなくて良い。ボディ全体が小キズだらけだったりするのは、前のユーザーの使い方が想像できるが、少々のキズは中古車ならあるものなのだ。ただ、キズを放置してサビが発生しているような要注意。サビの拡大によってどんどんクルマが傷んでいくからだ。

フロントガラスのキズは要注意

 注意したいのは、フロントガラスのキズ。ある程度距離を走ったクルマではフロントガラスに飛び石を受けるのは当然で、それがキズになって残っているものだが、これが多いと夕日に向かって走るときなどに視界の妨げになることがある。また走行中にフロントガラスが割れたとか、あるいは急に大きなひび割れが発生したなどというのは、元からあった飛び石の跡が原因であることが多い。そうした危険を避けるためにもフロントガラスのキズには注意が必要だ。

 また飛び石の跡が小さなキズではなくひび割れにまで発展していたりすると、車検にも合格しなくなって最悪の場合には交換費用が発生することもある。

●次回へ続く・・・