初代カローラ
初代カローラ

ルーフが伸びたセミファストバックスタイルを採用し、セダンとしているが、2ドアクーペのスプリンターも半年後に追加された。

初代カローラ

K型と呼ばれるOHV4気筒ユニット。20度左側に傾けて搭載され、低重心化と吸排気系の自然な取り回しに貢献している。

初代カローラ

スポーティな演出が施された運転席まわり。当時まだ主流ではなかったフロアシフトは4段。さらにメーター類は単眼タイプを採用。

パブリカに続く、大衆車としての完成形

 トヨタは50年代後半から大衆車の必要性を感じており、シンプルな構造と高い生産性による低価格を実現したパブリカを1961年に発売していた。本来はフルモデルチェンジを施し、大衆向けにさらに進化させる予定だったが、空冷水平対向2気筒のエンジンなど、基本性能の低さから断念。そこで新たに設計・開発したのがカローラだ。
 開発を担当したのは戦時中に航空機設計を手がけ、トヨタではパブリカやトヨタスポーツ800を担当した長谷川龍雄氏。空力という概念をクルマにいち早く持ち込んだ技術者だが、彼がカローラに掲げたのは「80点主義」だった。80点主義というと今では「100点ではない手抜き」のようなイメージと取る人が多いが、じつはトータルバランスに優れ、すべてにおいて平均点以上を実現。長く乗り続けられるということを込めている言葉である。さらにプラスアルファとしてスポーティさも加えられているのは高速時代到来をよく表わしているポイントだ。
 デザインはベーシックながら、ラインをうまく取り入れることで躍動感を演出。さらに大衆車ながらトヨタ車として初めて湾曲ガラスをサイドに採用するなどしている。エンジンも新開発のK型とし、アルミ製ヘッドや5ベアリング支持など、この点においても高速時代に対応していた。ミッションも当時としては豪華な4MTである。
 そしてあまりにも有名なエピソードが「100ccの余裕」。当初は1リッターで開発が進められていたが、ライバルのサニーも1リッターで登場することが判明し、急遽100ccアップし、1.1リッターで登場。ヒットの原動力となったが、3億円事件で使用されたの宣伝に一役かった。

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