異色のトヨタ車 "アベンシス" が初のマイチェンを敢行
アベンシスはプレミオ/アリオン系のプラットホームを採用し、トヨタがヨーロッパで生産しているミドルセダン/ワゴン。トヨタを代表するクルマとしてヨーロッパではクラスで5番目くらいに相当する売れ行きを確保している。ヨーロッパ製のトヨタ車だけに、全幅は3ナンバーサイズとなるが、全体的には手頃なミドルセダン/ワゴンである。
日本で発売されたのは2003年10月で、昨年は2.4Lエンジンの搭載車が追加設定されている。今年7月のマイナーチェンジでは前後のデザインを変更したほか、装備の充実化を図るなどの改良が加えられている。さらに乗り心地の改善など、足回りに対しても細かなチューニングが行われた。
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2つのパワーユニットはいずれも魅力的!
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昨年から追加されている2.4Lエンジンは、従来からの2.0Lエンジンと同様に直噴仕様のエンジンで、パワーの上乗せはさほどではないが、トルクに関しては排気量の拡大に見合うくらいの向上が図られ、余裕ある走りを実現する。市街地から郊外の道などでは、2.0Lエンジンほどアクセルを踏み込まなくても良く走ってくれるので、楽々走らせることができる。2.4Lエンジンは5速ATとの組み合わせになることも余裕の走りにつながっている。逆に踏み込み量を加減してしまうためか、元気の良さがさほどでもないように感じられる面もある。
2.0Lエンジンは吹き上がりが軽快で動力性能が劣る割には2.4Lエンジン以上に元気の良さを感じさせる。このクラスでは5速ATが常識になりつつある時代だが、4速ATとの組み合わせでも特に不満はなく、トヨタ車らしい走りの滑らかさを備えている。
国産車にないハンドリング&乗り語心地は健在
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乗り心地はトヨタ車とは思えないくらいの硬さだ。高速クルージングを想定し、操縦安定性を重視した足回りはいかにもヨーロピアンテイストといった印象。ステアリングも手応え十分というか、相当に重くて操舵力が必要。このあたりは日本車に慣れた人が乗ると違和感を感じるほどだ。
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インテリアはもう少し頑張って欲しい……
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カーナビは今回からカラーバックモニター付きのDVDナビに変わったが、それでも画面の大きさなどはヨーロッパ基準で日本車としてはやや不満なレベル。またインテリア回りの細かな仕上げなども日本製のトヨタ車のレベルには及んでいない印象がある。このあたりはもうひと頑張りが必要だろう。
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●お勧めグレード
2.4Lエンジン+5速ATの組み合わせには一定の魅力があるし、上級グレードとなる分だけ装備も充実しているが、価格的にかなり高めになるのが難点。アベンシスは輸入車である分だけどうしても高くなる面がある。なのでお勧めは必要な装備を備えて価格的にもリーズナブルな2.0Lエンジンを搭載したXi。ワゴンのXiを選んでDVDナビをオプション装着するのが賢い買い方だ。
代表グレード
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2.0 Xi(ワゴン)
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ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
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4715×1760×1525mm
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車両重量[kg]
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1410kg
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総排気量[cc]
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1998cc
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最高出力[ps(kw)/rpm]
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155ps(114kw)/6000rpm
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最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
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19.6kg・m(192N・m)/4000rpm
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ミッション
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4AT
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10・15モード燃焼[km/l]
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13.0km/l
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定員[人]
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5人
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税込価格[万円]
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249.9万円
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発売日
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2006/07/31
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レポート
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松下 宏
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写真
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佐藤 靖彦
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