熟成極まる「4G63」
三菱は、「ランサーエボリューションIX MR」(GSR/RS)および「ランサーエボリューションワゴン MR」(GT/GT-A)を、8月29日より全国の系列販売会社より発売開始した。
なお、車名に冠した「MR」は“Mitsubishi Racing”の略で、同社の最高峰スポーツモデルに与えられる名称。同車種で冠するのは、2004年2月に発売された「ランサーエボリューションVIII MR」以来、2度目となる。
「ランサーエボリューション」は、1992年10月に登場して以来14年目を迎えるが、今回のセダンおよびワゴンの両モデルは、オンロードでのスポーツドライビングに特化させた第3世代の集大成モデルという位置づけであり、名機と称されてきた4G63型2L DOHCインタークーラーターボエンジンを搭載する最終モデルとなる。
「ランサーエボリューションIX MR」は、6速マニュアルトランスミッションを搭載した「GSR」と、5速マニュアルトランスミッションを搭載した「RS」の2グレードを設定。エンジンでは、MIVEC(連続可変バルブタイミング)を最適化させたほか、ターボチャージャーのタービンホイール材質をインコネル(ニッケルクロム系合金)からチタンアルミ合金として、コンプレッサーホイール入口径を縮小させたことと合わせレスポンスを向上。最高出力は206kw(280ps)/6,500rpm、最大トルクは6MT搭載の「GSR」では400N・m(40.8kg-m)/3,000rpmとし、5MT搭載の「RS」では407N・m(41.5kg-m)/3,000rpmと従来モデルからの変更はない。
また、より高性能なターボチャージャーは、今回は「GSR」「RS」ともにメーカーオプション設定とした。
シャシーは、EIBACH社製コイルスプリングを、従来品よりも高目のスプリングレートで採用し、これをBILSTEIN社製ショックアブソーバーと組み合わせて減衰力を最適化することで穏やかな挙動と優れた接地性を実現、ドライバーの操作に忠実で素直なハンドリング性能を実現した。さらに、車高を約10mmローダウンさせることで、走行安定性とコーナリング性能が向上された。
また、サスペンションシステムの改良に合わせて、電子制御4WDシステムであるスーパーAYCの制御をよりスポーティな方向にチューニング。左右後輪の駆動力制御量を約10%増大させることで、違和感なく、オンロードにおける旋回性能をさらに向上。さらに、サスペンションチューニングとあいまって、リヤがインリフトする場合や左右で路面状況が異なる場合などでのトラクション性能も向上させている。
エクステリアは、フロントバンパー左右下部のエアダム形状を若干下方に延長することで、車体下面へ流入する気流を減少させ、空気抵抗の低減とフロントリフトのさらなる低減が実現した。また、その左右両側面に設けた凹形状によって、車体側面の気流を意図的に剥離させることでホイールハウス内にこもる空気を効果的に排除している。
また、「GSR」に標準装備のENKEI社製17インチ軽量アルミホイールは同サイズながら従来品よりも明るいシルバー色に変更、また、「GSR」「RS」ともにメーカーオプションの設定BBS社製17インチ鍛造軽量アルミホイールは、新たに金属の素材感のあるダイヤモンドブラッククリア塗装としてプレミアム感を高めた。
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一方、「ランサーエボリューションワゴン MR」は、エンジンやエクステリアに「ランサーエボリューションIX MR」と同様の改良が施されている。
価格は、セダンが285万6,000円〜362万2,500円、ワゴンが341万2,500〜348万6,000円。
代表グレード
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LANCER Evolution IX MR「GSR」
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ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
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4,490mm×1,770mm×1,440mm
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車両重量[kg]
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1,420kg
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総排気量[cc]
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1.997cc
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最高出力[ps(kw)/rpm]
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280ps(206kw)/6,500rpm
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最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
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40.8kg-m(400N・m)/3,000rpm
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ミッション
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6速マニュアル
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10・15モード燃焼[km/l]
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10.0km/l
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定員[人]
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5人
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税込価格[万円]
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362万2,500円
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発売日
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06/08/29
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写真
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三菱自動車
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