スバル WRC 第11戦ラリージャパン 復活への意気込み

 スバル ワールドラリーチーム(SWRT)は、9月1日〜9月3日に北海道十勝管内で開催されるWRC(世界ラリー選手権)第11戦「ラリージャパン」に、ペター・ソルベルグ(ノルウェー)、クリス・アトキンソン(オーストラリア)がドライブする2台の「インプレッサWRC 2006」で出場することを発表した。

エースドライバー、ソルベルクと才能をもつ若きドライバー、アトキンソンに期待

 SWRTは、本年のFIA世界ラリー選手権(WRC)シリーズ全16戦に出場しており、ドライバーは、2003年のWRCドライバーズ・チャンピオン、ペター・ソルベルグ/フィル・ミルズ(英国)に加え、ヤングドライバーのクリス・アトキンソン(オーストラリア)/グレン・マクニール(オーストラリア)だ。8月の第10戦「ラリー・フィンランド」を終えた時点で、ペター・ソルベルグがドライバーズ選手権部門ランキング6位と低迷しているのが現状だ。しかし、マシンの改良計画は順調に推移しており、マシンの速さは回復したとSTIは説明する。9月のラリージャパンから始まる後半戦のグラベルラリー連戦ではトップドライバーとして復帰できる、とソルベルグは宣言している。クリス・アトキンソンは、昨年のラリージャパンで総合3位となり、最終戦のオーストラリアでも4位に入賞するなど早くも非凡な才能を表している。
 なお、製造者選手権部門では、スバルは現時点でランキング3位となっている。

スバル WRC 第11戦ラリージャパン 復活への意気込み
インプレッサ WRC2006
スバル WRC 第11戦ラリージャパン 復活への意気込み
ぺター・ソルベルグ
スバル WRC 第11戦ラリージャパン 復活への意気込み
クリス・アトキンソン

インプレッサWRC2006の改良で巻き返しをはかる!

スバル WRC 第11戦ラリージャパン 復活への意気込み

 出場車の「インプレッサWRC2006」は、量産車のインプレッサWRXをベースに、FIAが定めるワールドラリーカー規定の改造を施したWRC専用車両である。シンメトリカルAWD(四輪駆動)システム、ターボ過給器付きの水平対向エンジンなど、量産車と共通の主要コンポーネントをもっており、世界のあらゆる路面を駆け巡るために、シャシー、エンジン、エレクトロニクス、ボディワークなどに最新のテクノロジーをふんだんに盛り込んでいる。なお、タイヤはイタリアのピレリ社製を使用している。

 第8戦後の2ヶ月間のサマーブレイクに、SWRTはマシンの改良に入り、富士重工業、STIのエンジニアも主体的に参画したという。主に、ラリー走行中のハンドリング変化やジャンプ後の車体姿勢を改善するための理想的重量配分を実現するため、ロールケージやドライバーの着座位置などを見直しした。また、走行中のステア特性やセッティング自由度を改善するため、フロントサスペンション、リヤサスペンションのジオメトリなどを変更、エンジンも強化した。その結果、マシンの挙動特性はよりドライバーが扱いやすいものになったとのことだ。

チーム組織も強化!〜ラリーの技術が市販車にも〜

 富士重工業は、グローバル主力商品であるスバル インプレッサシリーズの開発を統括する同社スバル商品企画部プロジェクトジェネラルマネージャーの森宏志氏をインプレッサ・ワールドラリーカーの日本側の開発責任者に任命し、商品であるインプレッサ量産車両とラリー専用車であるワールドラリーカーの開発を取りまとめて行うこととなった。

 これによって、ラリーカーからフィードバックした技術やイメージを量産車により濃く反映できるほか、量産車設計の段階でラリーカーの戦闘力向上のためのメニューを盛り込むことができるなど、より自動車メーカーとしての能力を発揮できる体制を整えた。

 また、SWRTでは、マニュファクチャラープリンシパル・エンジニアリングを富士重工業スバル商品企画本部の菅谷重雄氏が務めることとなった。これまで富士重工業/STIとSWRTの橋渡しとなってコラボレーション体制を推進してきた東稔也氏は、SWRTマーケティングを更に強化統括する目的でマニュファクチャラーマーケティングプリンシパルに就任するとのこと。

【ラリージャパン開催目前!】スバル、WRCプレスカンファレンス開催!「ぺターが、クリスが、新井が必勝宣言!」

【特集】  written by 徳田 透 (2006.08.30)

9月1日〜3日にかけて開催されるWRC(世界ラリー選手権)第11戦「ラリージャパン」に向けた「SUBARU WRCプレスカンファレンス」が行われた。ペターが、新井がラリージャパンへの熱い想いを語る! >> 記事全文を読む