スズキ 「スイフト」・「SX4」の好調を受けて年産24万台規模の新工場を建設

 スズキは、海外における慢性的な生産能力不足に対処するため、相良工場敷地内(静岡県牧之原市)に、新しく年産24万台規模の小型車専用工場を建設することを発表した。なお、新工場建設の投資額は600億円の計画で、2006年秋に着工、2008年秋の稼動予定している。

 現在「スイフト」、「SX4」及び「グランドビターラ(日本名:エスクード)」は、欧州、北米、中南米、大洋州等での受注が旺盛で大量のバックオーダーの状態が続いており、各国から増産要望が寄せられている。この需要に応えられる同社のグループの工場は、国内の2工場(湖西・磐田)とハンガリー・マジャールスズキ社のみであるが、いずれの工場もフル稼動の状態が続いている。

 これを受けてスズキは、輸出用小型車の生産増強と軽自動車の生産調整を図ることとした。具体的には、今年度は輸出用小型車の国内生産を前年に比べて6万台増やすこととし、このために軽自動車の生産を3万台減らし、来年度は小型車の生産をさらに3万台増やし、軽自動車の生産をさらに3万台減らす予定であるとのこと。

 スズキは新工場がフル稼働する2009年度において、国内124万台、海外176万台、全世界で300万台の生産を目指す。また、2009年度を目標としていた「国内小型車10万台販売」を前倒しして2008年の達成を目指す。さらにOEMの供給を生産台数の10%程度にとどめるほか、ハンガリー、インド、パキスタンなど海外工場の生産能力を増強し、今期(2007年3月期)に連結売上高3兆円の達成を目指すとしている。