「新開発エンジン+ターボ+CVT」のテンコモリユニット
エンジンの動力性能は47kW/103N・m。パワーは軽自動車の上限に達する数値だし、トルクも十分に出ているが、そうした数値性能だけでなく吹き上がりのスムーズさや中低速域でのトルク感、エンジン騒音の低さなど、いろいろな面から見てデキの良いエンジンに仕上がったといえる。しかもターボ車で23km/Lの燃費は極めて優れた数値。2WD車は平成22年基準+20%、4WD車は+10%を達成している。やや残念なのは排気ガス性能が平成17年基準−50%低減レベルの★★★であり、このためにグリーン税制の対象にならないこと。十分にメドはたっているということなので早期達成を期待しておきたい。
この新ターボエンジンと組み合わされる新開発のCVTは、ベルトのコマを小さくしてより効率の良いCVTとして開発されたもの。走行フィールや7速マニュアルモードのレスポンスなどにも不満はなかったが、加速時にキーンという金属音が聞こえるのはマイナス点。エンジンが静かな分だけCVTの音が聞こえてしまうのだが、静かな室内を標榜するクルマだけに一段の静粛性を望みたいところ。CVTの変速フィールには好き嫌いがあるが、ATからCVTへというのは時代の流れでもある。
走れて快適な足回りは、バランス感覚万点
足回りは柔らかめの乗り味ながら、前後にスタビライザーを装着することなどによって安定感も十分なレベルにある。電動式のパワーステアリングも低速時には相当に軽いが、走行中にはそこそこの手応えがあってシュアなレスポンスが得られた。
全体的には良く走るし、操縦安定性のレベルも満足できるものだった。ソニカの狙った走りの爽快感はかなりのレベルで達成されたといえるだろう。
●まとめ
ソニカには3グレードが設定されていて、Rが120万円弱、RSが134万円強、RSリミテッドが141万円強という設定。基本メカニズムはほぼ共通で装備の違いによる価格差だが、Rはさすがに装備が貧弱な印象。RSなら十分に満足できる仕様が用意されるが、ソニカらしい爽快な走りを楽しみたいなら、少しおごってRSリミテッドを選びたい。単にソニカらしいグレードというだけでなく、フォグランプ、MOMO製の本革巻きステアリングホイール、7速マニュアルモードなど、満足できる仕様が用意されることで、長く乗りたいクルマになるからだ。