【スバルステラ試乗記】スバルらしくなくとも、マーケットのど真ん中がターゲット！

万人受けするようにコンベンショナルなデザインで勝負に挑む。

「シンプル・クリーン・モダン」を合言葉に、親しみやすさを追求したフロントマスク。昔ながらの "スバルの軽" にもどった印象だ。

リアからサイドにかけてのデザインも非常に保守的。奇をてらうことなく使いやすさを追求した結果なのだろう。

縦長のコンビネーションランプは高品質なイメージで、ボリューム感を出すのに一役買っている。

フロントグリルに輝くスバルマーク。"ステラ(星)" という車名だけに、ひときわ輝く存在だ。

こちらはカスタム系のエクステリア。専用のフロントマスクが与えられ、とてもアグレッシブ。若々しいスポーティ感が魅力的!

「若さ・元気・スポーティ」をテーマにデザインされたと言うだけあって、他社の軽自動車にひけをとらない存在感が魅力。

軽自動車マーケットのど真ん中へスバルが参入

　スバルが新しく投入したステラは、ワゴンRやムーヴなどと同じトールボーイ系のハイトワゴンだ。スバルではこれまで、新しい方向性を示す軽自動車としてパーソナル性の高いR2やR1を投入してきたが、これらのモデルは軽自動車市場の中心からやや外れた場所に位置していた。そこで多くのユーザーのニーズに応えるために、需要の真ん中に向けて新しくステラを投入したもの。

　ホンダも今年、ライフではカバーしきれないユーザーをターゲットにハイトワゴンのゼストを投入してきたが、スバルもそれと同じことをしてきたといえる。

これまでのスバル車にない "マーケットイン" な仕上がり

　開発に当たっては、いろいろな段階で多くのユーザーの意見を聞くなど、これまでのスバル車とは違うプロセスで開発を進めたとも言われている。技術者の独りよがりにならないマーケットの声を反映させるクルマ作りを目指したわけ。これによって乗り降りのしやすさや使いやすさ、安心感などが高いレベルに仕上がったという。

　出来上がったクルマは、トールボーイ系のシルエットを持つとともに、基準車とややスポーティな味付けを施したカスタムの2種類の外観が設定されている。売れるのは基準車のほうだろうが、スポーティな仕様を用意するのは重要なことといえる。

代表グレード	LX
ボディサイズ［mm］（全長×全幅×全高）	3395×1475×1645mm
車両重量［kg］	870kg
総排気量［cc］	658cc
最高出力［ps(kw)/rpm］	54ps(39kw)/6400rpm
最大トルク［kg-m(N・m)/rpm］	6.4kg・m(62N・m)/4400rpm
ミッション	i-CVT
10・15モード燃焼［km/l］	22.5km/l
定員［人］	4人
税込価格［万円］	110.8万円
発売日	2006/06/14
レポート	松下宏
写真	佐藤靖彦