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【新型 レガシィ サーキット試乗会潜入レポ】(3)コースに出動、試乗開始!

【特集】  written by コリマネ (2006.05.30)

いよいよコース上での試乗会が始まった!でも路面はへヴィウェット&視界悪し・・・ >> 記事全文を読む


さあさあ、こんどは筆者がドライブする番だ。

ピットに他媒体の試乗が終わったレガシィが滑り込んできた。
ドアが開け放たれて「さぁどうぞ!」(スバル広報)

大岡が同乗してのドライブ。MT派の筆者は、初回の試乗でスポーツシフトの操作に戸惑った。|レガシィ シリーズ サーキット試乗会

最初の車両はツーリングワゴン
2.0GT 5AT アーバングレー。
助手席には大岡が同乗だ(えぇぇぇえ・・・)

実は筆者、大阪から東京に活動拠点を移し、最後のクルマを手放してから約5年、駐車場代が払えない貧乏特有の「東京ペーパードライバー」。

東京では近所のディーラー試乗車荒し・・・いや商談で乗った回数が2回、
実家に帰って友人のユーロRを借り、街乗り7000rpm超全開で転がした回数が1回、
(法定速度内で、ですよモチロン)
編集長や編集部・徳田のはからいで、メーカー広報試乗車に乗せてもらった回数が3回。

しかも、そのメーカー広報車がルノー ルーテシア in 羽田界隈に、
BMW 325iツーリングMスポーツ in 十国峠、そしてBMWの550i in 丸の内界隈。
なんて偏っているんでしょうか。

ここ5年のドライブはなんと計6回! 7回目のドライブが富士スピードウェイって!?

初回の試乗はSI-DRIVEの設定を忘れるほど緊張

最初は緊張の連続|レガシィ シリーズ サーキット試乗会

ピットをスタートする。
依然、視界は回復しないままだ。
他媒体組の追撃もないままスムーズにコースへと合流。

パーシャルスロットルから一時的にフルスロットル、
第1コーナーは早めにブレーキングに入って減速。
それでもズルズルズルズルー・・・・とだらしなく曲がり、あとは脱出までジーっと待つという情けない走りを披露する。

最終コーナーもダラァァァ〜とアクセルオフで、じっーーーと減速を待つ。
かっこわるうう。いわゆるFFや4WDの典型的な初心者走りです。
なんせこの雨、この視界、後方の速いヤツ。
もう覚悟を決めて恥を晒すしかない。

初回の走行では低μ路面の恐怖と緊張で、あわわわあわわわ、と慌てっぱなし。肝心のSI-DRIVEも、デフォルトでスポーツモード、だったような気がしますという曖昧な記憶・・・

ちょと戸惑うスポーツシフトのアップ・ダウン方向

超ニガテなAT。
せっかくのスポーツシフト付だからとガチャガチャやってみるものの、立ち上がり直前でATを3→4速なんていう大バカな操作ミスを連発。

BMWの6ATはMTと同等のレスポンスとダイレクト感|レガシィ シリーズ サーキット試乗会

というのも、直近の試乗車がBMWのステップトロニック付6速ATであったため、ATのシフトアップが手前(後退方向)、ダウンが前方(前進方向)であるという、思い込みの感覚でいたためだ。
BMWの6速AT、これが実に気持ちよかった。
MT車至上主義で、どちらかといえばドイツ車には関心を示さないな筆者も、BMWのATシフト操作にはメロメロ。シフトチェンジのタイムラグも感じない。

ところが、スバル車のスポーツシフト操作は、まったく逆の方向。
以前のBMW車もスバル車と同じ前+・手前−だったようだが、途中から現在の前−・手前+になった。
編集部では、普段から「現在のBMWのシフト操作方向が理にかなってる」という話がよくでるが、筆者もそう思う。
どうも前方でアップ、後方でダウンという操作には、感覚的に戸惑いがある。

もちろん個人差もあるし、オーナーになればすぐに慣れるだろう。
事実、周回を重ねるごとに筆者も慣れてきて、快適に操作、とまではいかないものの、おおむね意思通りに操作可能になった。

ただし、初回の走行では自動による強制シフトアップで、現在のシフト位置がつかみづらく、戸惑いは最終ラップまで抜けなかった。
操作方法の習熟不足から、ドライバーの意思でシフト固定を行う方法が結局最後までわからないままで、その後の試乗も直前の試乗者のセッティング任せで乗ることになった。
素人が雨の国際格式のサーキットなんて走ると、緊張でこんな状態になるのも仕方がないと、どうかご容赦くださいませ。

コースにも慣れ6MT車で本格インプレッションモード!

2回目の車両もツーリングワゴン
2.0GT spec.B 6MT ダイヤモンドグレー
やった!ついに6MTだ! 今度は一人でドライブ。

2回目の試乗は3MTで本格的に走りを味わう|レガシィ シリーズ サーキット試乗会

コースをある程度把握できたこと、MTの操作感覚が身についていることもあって、1回目の試乗よりもハイペースに走ることができた。
ではそろそろ、ごくフツーのドライバーが、ごくフツーに雨に煙る国際格式のサーキットを走った印象をお伝えしよう。

レガシィは雨の中でもグングン加速する。

試乗会スタートの前、スバル広報の方が、
「あいにくの天気ですが、このような状態だからこそ、
 スバルのシンメトリカルAWDの安全性を体感できるチャンスです(笑)」
とおっしゃっていた。

確かに安心感はあるし、アクセル・オンでの姿勢の安定感は、4WDならではのものだ。
特に水平対抗であるがゆえの低重心、エンジンからパワートレーンまでも含めた左右対称の配置によるバランスのよさ、これは初心者でも街乗りのスピードで体感できるはず。

かつて筆者のもとにインプレッサが納車されたとき、重いはずの4WDターボ車でありながらも、そのノーズの軽い動き、切れのよさを街中の走行で知った。
その前に乗っていたDOHC VTECのインテグラ(DA)よりも、軽快な動きを街乗りで体感でき、驚いた記憶が鮮明に残っている。

筆者が乗っていたインプレッサはGC・GF型、しかも評論家ではないので明確な判断は避けたい。
ただ、一般人レベルの筆者でもシンメトリカルAWDの恩恵は感じられるし、スバル各車のキャラクターを感じることができるのは間違いない。

快適な2.0GT spec.B 街乗りの速度域でも実感できるスバル車の美点

スバルはインプレッサ、レガシィ、フォレスターで、構成部品の多くを共用していながらも、少ない車種展開の中で明確にキャラクターの違いを演出して見せている。
これは車種展開の少ない小さなメーカに、副産物をもたらす。
共用となるコンポーネンツはもっともパフォーマンスを発揮するクルマにあわせて設計されるため、スバル車は下位グレードでもシャシー性能が高い、というもっぱらの評判だ。

快適で走りが楽しくなる美点はスバル車に乗ってみないとわからない|レガシィ シリーズ サーキット試乗会

筆者はSTI Verのディーラー整備時の代車で、インプレッサワゴン(GF)の1500ccとレガシィツーリングワゴン(BG)の1800ccを借りたことがあるのだが、実にしっかりとした走りを披露してくれた。一般道はもちろん、高速道路の走行でも安心感があり、疲れを感じなかったのだ。レガシィの方は「買い換えてもいいかな」と思えるほど上質(当時・・・)な走りである、と個人的に感じた。

スバル各車のなかで、車格相応のつくりの違いが最も出ているのは、いわゆる「音振対策」の部分かもしれない。
実際、今回試乗したレガシィは、全開走行にもかかわらず比較的静か。その分エンジン音を楽しめるクルマ造りではないが、現在のレガシィの車格からいえば当然か。
215/45R17(spec.Bは18)という低扁平タイヤを履きながら乗り心地もよい。
ロードインフォメーションもなかなかつかみやすい足回りで、このあたりはかつて乗っていたインプレッサよりも上質さが伺える・・・
とはいえ、本当の乗り心地と音振に関しては、一般道を走り込まないとなんともいえないので明言を避けるべきか。

ちなみに、スバル車の美点であるサスペンションの懐の深さは、サーキットのような高速走行はもちろん、これまた一般道でも普通に体感できる。
これは決して限界付近(筆者は限界を体感できる技術はないが)の性能だけの話ではない。

一般道でも、コーナーでググッとこらえ、しなやかに加速して脱出。
この一連の動きの感触は、運転するのが非常に楽しくなる、かつ説明しづらいスバル車の美点である。

この悪天候だからいいけれど・・・

・・・とかなんとか偉そうなことを言いながら、2回目の試乗の2週目には調子に乗りすぎ、シケイン後の最終に近い低速コーナー(T13)でスピン、エンジンストールしてしまう。
それでも、ウェットの路面状態からくる警戒感がコーナー前の無難な減速を強いるため、かえって安全に走行できたといっていい。
だからこそ「ああ、すぴんするなぁぁ」という予兆はステアリングから感じ取ることができた。
それに、視界が悪いとはいえ、そこは舗装の整ったサーキット。
思いっきりよく踏んで走ることができ、対向車や障害物がない分、ステアリングにも集中できるという、運転する人間側の心理状態の影響もある。

まぁ筆者レベルの走行スピードなので時限の低い話ですが。
晴れならもっとスピン、最悪は・・・考えるのをやめとこ。

written by コリマネ
職業:Webディレクター兼プロデューサ

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