ボルボ XC90

ボルボ XC90ってどんなクルマ?

 XC90はボルボのラインナップの中で最上級に位置するモデル。堂々たるサイズのSUVボディに3列シート(2列シート車もあり)を設定し、SUVとミニバンをクロスオーバーさせたモデルに仕上げられている。
 日本市場へは2003年5月から導入されているが、当初は直列6気筒と直列5気筒の2機種のエンジンを搭載するだけの設定だったが、2005年には新たにV型8気筒4.4Lエンジンを搭載したTEをラインナップした。
 当然ながらこのモデルは、大きいことは良いことだという価値観が支配的なアメリカ市場を意識して設定されたもので、左ハンドル車しか作られていないなど、必ずしも日本市場向きとはいえない面がある。

大排気量ならではの豪快な走り

 とはいえ、大排気量のV8エンジンが発生する動力性能は余裕十分だ。232kWのパワーもそうだが排気量の余裕を生かした440N・mのビッグトルクにより、2tを大きく超える重量級のボディをグイグイ引っ張っていく。ATもTEだけが6速ATとなり、実に滑らかな加速フィールを実現している。SUVらしくストローク感のある足回りはやや柔らかめの乗り心地だが、安定感においても不満はない。
 4WDシステムはハルデックスカップリングを使った電子制御4WDで従来からXC90に採用されているもの。停止時にも80N・mほどのトルクを後輪に伝える設定になので、滑りやすい路面でも余分なスリップを発生させることなくスムーズな発進が可能。ドライのオンロードを走行しているときには95%くらいのトルクを前輪に伝え、滑りやすい路面では50:50にまで駆動力が配分される。この駆動力配分のレスポンスの良さが身上だ。

トップ・エグゼクティブ、この概念はインテリアで体現!

 TEはトップ・エグゼクティブの略とのこと。それだけにインテリア回りにはラグジュアリーな仕様が用意されている。本革シートはTE専用にソフトなタッチの本革が用意されるし、木目パネルもTE専用のウォールナットが採用されている。ほかにもリヤDVDプレーヤーやフロントアームレスト内蔵の冷蔵庫などが専用装備として用意される。

ボルボ XC90
ボルボXC90のV8エンジン。実はコレ、オートバイなどで有名な日本のヤマハが製作を担当している。
ボルボ XC90
V8と書かれた小さなエンブレムだけが実力の高さをひっそりとアピールする。そんな控えめなところもボルボらしい。
ボルボ XC90
いっぽうインテリアは、最上級グレードらしくゴージャスに仕立てられている。
代表グレード
V8 TE
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4800×1900×1780
車両重量[kg]
2210(7人乗り)
総排気量[cc]
4413
最高出力[ps(kw)/rpm]
315(232)/5850
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
44.9(440)/3900
ミッション
6AT
10・15モード燃焼[km/l]
6.4
定員[人]
7
税込価格[万円]
927
発売日
2005.8
レポート
松下 宏
写真
佐藤 靖彦