完成度の高さが光る
ハイブリッドシステムは1.3Lの3ステージi-VTECエンジンとホンダ独自のIMAシステムの組み合わせ。バルブ制御を低回転・高回転・気筒休止の3種類に制御するエンジンと、モーターの効率の大幅な向上などにより、1.8Lエンジン並みの低速トルクを確保しながら、10・15モード燃費は31.0km/Lを達成した。
今回のIAMはシステムは従来のハイブリッドと違ってエンジンが休止するEVモードでの走行も可能だが、EV状態での走りを実現できる条件は限られている。
クルマが停止すると簡単にアイドルストップの状態になる。そこからアクセルを踏んで発進しようとすると、ブレーキペダルから足を離した瞬間にかすかな振動を伴ってエンジンが始動する。クルマが動き出すまでにわずかなラグを感じさせるものの、十分なトルクによって滑らかな発進が可能。
低速域での走りはそのトルクの太さとCVTの滑らかさによって、とてもスムーズなものとなる。ブレーキング時にはエネルギーを電気に変えてバッテリーを充電する回生ブレーキが働くが、新開発の協調回生ブレーキシステムが採用されたことで、違和感のない安定した制動が可能だ。
十分な低速トルク性能を持つこともあってアクセルを踏み込んで加速するときのフィールも上々。高速道路での合流も余裕を持ってこなせるし、高速クルージングも快適なものとなる。高速域での静粛性も満足できるレベルだ。
●お勧めグレード
廉価モデルのMXBは装備が貧弱なのでお勧めできない。シビックハイブリッドでは基本的にMXを選ぶことになる。オプションはサイドSRSエアバッグやVSAなどの基本的な安全装備のほか、HDDナビを装着したい。可能なら追突軽減ブレーキやIHCCなどの先進装備も欲しいところだが、これらはまだ価格も高いので予算と兼ね合わせて考えることになる。
ハイブリッドはともかく、標準車はセダンだけ、FF車だけ、しかも3ナンバー車であり、価格も200万円級ということで、どんなユーザーがどんな風に選ぶのか見えてこない部分がある。クルマとしての魅力は高いが、商品性には疑問の余地も残るのが新型シビックの印象だ。