540馬力で最高速は315km/h! フロントミッドシップとリヤをトランスアクスル化することで、前後重量配分46対54を実現。バランスのよさも特徴だ。

フロントバンパー内のグリルはメッシュ化され、目が荒いタイプだけにコンペティションなイメージもプラスされている。

深みのあるブルーがブル コーンズ。これぞ至高の専用ボディカラーといっていいだろう。もちろん生産ラインでの塗装。

市販車の常識を超えたカーボンローターに大きく目を奪われるが、コーンズブルーのビッグなキャリパーにも注目だ。

ボディ下端は通常ブラックなのだが、特別にボディ同色で仕上げられている。

もちろん表面にカーボン調のシートを貼ったのではなく、カーボンで成形されたリッドである。これひとつでもかなり高価なハズ。

メーター部分もブルーが取り入れられている。ミッションはセミATのF1のみの設定だ。トリムもカーボンが取り入れられている。

2トーンシートは絶妙なタッチのアルカンタラを採用し、リヤシートにはCORNSの刺繍も入る。アバンギャルドさが刺激的だ。

イタリアからCEOも来日して親密をアピール

リヤミッドシップの430シリーズに対して、フェラーリ初のオールアルミフレームを採用。フロント(正確にはフロントミッド)縦置きエンジンとし、リヤホイールを駆動するいわゆるFRを採用しているのが、612スカリエッティだ。

ボンネット内に540馬力ものモンスターパワーが自慢のフェラーリ伝統5.75リッターV12気筒(車名とはリンクしないので注意)を搭載するだけに、伸びやかで流麗なスタイルに注目。またインテリアもじつに贅沢な仕上がりを見せている。その612スカリエッティをベースにした特別仕様が、今回発表された「612スカリエッティ アニバーサリー」だ。

これは正規輸入代理店であるコーンズがフェラーリの日本輸入を開始してから30周年を記念したもの。発表会当日は、フェラーリ社アジアパシフィック地区CEOが来日し、直々に祝日を述べるほどの力の入れよう。フェラーリ社とコーンズの親密な関係をアピールした。

限定ツートンシートなど特別装備が充実

気になるその中身はというと、まず目を引くのが、深みのあるブルーのボディカラー。これはコーンズのロゴに使用されているもので、その名も「ブル コーンズ(コーンズブルー)」。さらにはアンダーパネルのボディ同色化やメッシュグリルの装着。さらにカーボン製(調じゃない!)のフューエルリッドなど、エレガントかつスポーティなスタイルに仕上がっている。

また19インチのスポークホイールから顔を覗かせるキャリパーもブルーに塗られ、さらに他車ではオプション扱いのHGTC(ハンドリングGTC)を標準装備していることから、カーボンローターが組み合わされるのは圧巻というよりほかない。

もちろん内装もため息が出るばかりで、絶妙なタッチの人工セーヌ革であるアルカンタラを贅沢に使用したデイトナタイプシートやカーボントリムなど、ゴージャスな雰囲気いっぱいだ。国内でチョコチョコとパーツを付けただけの特別仕様車ではなく、伝統のスクーデリア フェラーリが仕上げたホントの意味での特別仕様車だ。

世界最高のスポーツカーにして、高級サルーンといったところで、気になるお値段はベースグレードであるF1のたった(!?)の約340万円高である3398万円なり。もちろん国内限定モデルで、20台のみの販売。他人とちょっと違うフェラーリが欲しい人にはオススメの一台だと思う。うらやましい……。

「フェラーリ 612 スカリエッティ アニバーサリー」発表会レポート!

【特集】  written by CORISM編集部 (2006.06.02)

6月2日、フェラーリの日本総代理店コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドの芝ショールム(東京都港区)にて、コーンズのフェラーリ日本輸入開始30周年を記念したモデル「フェラーリ 612 スカリエッティ アニバーサリー」の発表会が行なわれた。 >> 記事全文を読む


東京モーターショー 速報 フェラーリ612スカリエッティ

【新車情報】 (2005.10.19)

現在、フェラーリ唯一の4シーターモデルであるスカリエッティ。今回のモーターショーでは06モデルを出品させたぞ! >> 記事全文を読む


代表グレード
フェラーリ612スカリエッティ アニバーサリー
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
4900×1960×1370mm
車両重量[kg]
1910kg
総排気量[cc]
5748cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
540ps(397kw)/7250rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
60.0kg-m(589N・m)/5250rpm
ミッション
6速セミAT
定員[人]
4人
税込価格[万円]
3398万円
発売日
2006年6月2日
レポート
近藤暁史
写真
近藤暁史