BMWドライバー・トレーニング

ドライビングの達人に教えを請う

 自動車情報サイト、あるいは雑誌の編集者って、なんか運転上手そうなイメージありますよね。ワタクシもそう思っておりました。箱根の山道とかサーキットとかを颯爽と走れて、ドリフトだって自由自在!みたいな。
 しかしこの世界に入ってみて、必ずしもそうではないことに気が付きました(笑)。ワタクシみたいに極々平凡なドライバー(でもクルマヲタク・・・)って方も案外多いみたい。でも、それじゃいかんですよね。だってコレ、クルマの良さをお伝えするお仕事ですから。例え素人なりにでも、クルマのことを分かっていないとダメだと思うのです。でも、どうやって腕を磨けばいいのだろう・・・

 そんな中、BMWから、今年のBMWドライバー・トレーニング開催のご案内が届いたのです。
【BMW Driver Training 2006】BMWドライバー・トレーニングが今年も開催

 世界で初めて、本格的なセーフティ・ドライビング・スクールを開いたBMW。この日本では「CORISM」でもおなじみ こもだ きよし氏がチーフ・インストラクターを務めているのです!
 せ、先生〜っ! ワタクシにもドライビングの極意、教えてくださーい!!
BMWドライバー・トレーニング
まずは座学でお勉強。まずはドライビングポジションについて教わる。全ての基礎はここから始まるのです。自己流が染み付いてしまっていて、ちゃんと出来ていないヒトが多いことに気付くはず。
BMWドライバー・トレーニング
続いては「ステアリングの回し方」を学ぶ。わしづかみにするのではなく、親指で押すように。そして、ワンアクションで操作することを心がけるのが基本だとか。
BMWドライバー・トレーニング
今回のテスト車その1、BMW330iセダンの車内。小型カメラとデーターロガー(クルマの姿勢やアクセル開度などを測る装置)を完備している。コレでドライバーの走りの癖が全て明らかになるのだ!スゴイ!!

初めてのヒトにも安心!

 というワケで参加させて頂いた「BMWドライバー・トレーニング」。『Compact Sport』という日帰りのコースです。ポイントは、初めての人でも気軽に参加出来る基礎コースに加え、サーキットを楽しく颯爽と走る体験を加えたコースだというところ。
 例え初心者の方、運転経験の浅い方、またワタクシのような免許歴ばかり長いだけの素人ドライバーにも「運転の楽しさ」と「安全」を学ぶのに最適なコースなのですね。

トレーニング内容は以下の通り。
 ■1.座学(ドライビング・ポジション/ステアリングの回し方)
 ■2.基本走行(スポーツ走行ステアリング・ワーク)
 ■3.実技(急ブレーキの踏み方/ABS体験)
 ■4.実技(スピン体験)
 ■5.実技(サーキット走行)
 ■6.総評・修了式
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ABS(アンチロックブレーキシステム)を特別に解除した1シリーズで急ブレーキの体験。緊急時には、とにもかくにも「思いっきり」踏みつけることが重要なのですね。
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しかし、ブレーキがロックした状態では、いくらステアリング操作をしても一切利かず、一直線!
この状態でもし目の前に障害物があったらと思うと、ゾッとしますね・・・
BMWドライバー・トレーニング
今度はABSを復活させて緊急回避に挑戦! こちらは思いっきり急ブレーキを踏んでもロックせず、いとも簡単にステアリング操作が可能に。無事に障害物を回避出来ました、めでたしめでたし。

基本の「き」はドライビング・ポジションから

 さて、詳しい実技の様子については下の写真を参照して欲しいのですが、まずは基礎の基礎から。そこからして、ワタクシにとっては「目からウロコ」の連続でした。
 良く考えてみてください。運転って、両手両足両目を使って非常〜に難しいことをやっているということを。そのための着座位置なのです。おろそかには出来ませんよね。

 というワケで、皆さんもドライビング・ポジションについてもう一度チェックしてみてください。

○その1:腰を深く腰掛ける
 (背もたれで骨盤を支える。)
○その2:シートの前後調整
 (フットレストで左足を踏ん張って膝に余裕がある状態。さらに膝下に圧迫感がない状態。)
○その3:シートの上下調整
 (基本は高めの位置)
○その4:背もたれ角度調整
 (ハンドルの一番上を持ちひじが曲がる状態。肩が背もたれから離れない状態。)
○その5:ヘッドレストを頭に合わせる
 (頭の中心、耳と目のラインにセンターを合わせる。)
○その6:ステアリングの上下前後調整
 (多くの日本人の場合、なるべく下めにしたほうが合わせやすい)
○その7:もちろんシートベルトは忘れずに

・・・コレ、全部出来てました?
 確かにスポーツ走行用のポジションではあるけれど、運転に関する全ての操作が最もしやすいので、実は一番安全かつ疲れにくいポジションでもあるんですね。
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次は「スピン体験」コーナー。まずは先生がお手本走行。パイロンに沿ってきれいに旋回。ここからアクセルをさらに踏み込んでいって、クルマがラインから外に膨らんでいく状態を再現する。
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続いてワタクシもチャレンジ!
ありゃりゃ? 意気込んで走らせてみたものの、先生の走りと比べるとそもそもパイロンから随分とソレてますね・・・とほほ。
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路面は散水車で水を巻き、あらかじめウェット状態になっているから、より低い限界で「滑らせる」ことが可能なのだ。
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続いては横滑り防止装置(DSC)を解除した状態でスピンの体験。一定速度で旋回中に急にアクセルを踏み込んでみると・・・
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スピン! この状態からカウンターステア(逆ハンドル)を当てることで回避したのがTOPの写真なんです。
あ、両方とも先生の見本走行ですよ、って当たり前か。
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で、ワタクシもやってみた、スピン!
これが実際の山道だったらあと少しで谷底にまっしぐら、ですよ・・・嗚呼。
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いよいよ待望のサーキット走行。まずは「達人」こもだ先生運転の3シリーズ助手席でコースを同乗走行してみます。こんな経験なかなか出来ませんってば! そりゃもう、興奮状態ですね。
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達人こもだ先生の超絶テクの連続に、こちらは悶絶寸前っ!・・・と思いきや。物凄い速度なのに、ウルトラスムーズな操作ぶりにまたびっくり。実はコレこそが速くて安全なドライビングの『極意』なのですね。目からウロコです!
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さあ、思いっきり走ろう!
でも実際には、講師の走らせる先導車の後についての走行。とはいえ、実際には相当のペースで走ることが出来るのだ。た、楽しいっっ!!

クルマのドライビングを愉しみたい全てのヒトへオススメ!

 実は受ける前は「スポーツ」に特化した内容かと内心おののいていたのですがそんなことは全然なくって。クルマのドライブを愉しみたい全てのヒトに受けて欲しいと思わせる、それは楽しいトレーニングだったのですから!

 今シーズンのレッスンは始まったばかり。しかし毎年相当な人気だと聞きます。「お、ちょっと気になるな」と思ったあなた!早速問い合わせてみてはどうです?
 あ、もちろんBMWオーナーでなくたって全然OK!ですよ、念の為。

 ワタクシもこのレッスンでもっともっとイロイロ勉強してみたい、と欲が出てきちゃいました。
というワケで・・・また受けてもいいですか、編集長!?
【BMWドライバー・トレーニングの詳細はこちらもチェック!】
【BMW Driver Training 2006】BMWドライバー・トレーニングが今年も開催
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無事に1日の講習を終了! お疲れ様でした・・・
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講師から、修了証とさきほどのドライビングの様子が映ったビデオを渡されるのだ。コレはうれしい!
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BMWドライバー・トレーニング・インストラクターの面々。
取材協力
BMWドライバー・トレーニング事務局
写真
佐藤 靖彦
レポート
徳田 透(CORISM編集部)

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達人プロフィール: 徳田 透
職業:町のクルマ好き
1歳の誕生日、母に抱えられ出かけて以来、一度も欠かさず東京モーターショーに通い、『自動車ガイドブック』を絵本代わりに育つ。クルマ以外にも鉄道・バスといった陸を走る乗り物ならみんな大好き。単なる「マニア」とも言う。