F1ヨーロッパラウンド初戦M・シューマッハが復活優勝!

ヨーロッパラウンドいよいよ開幕

F1ヨーロッパラウンド初戦M・シューマッハが復活優勝!

 2006年F1世界選手権も第4戦となり、各チームの本拠地に近いヨーロッパラウンドがいよいよ開幕した。今年も昨年王者のルノー&フェルナンド・アロンソの強さが際立つが、本拠地近くに戻り、各チームのマシン開発が進んでくることから序盤3戦とは違った結果となることが予想される。
 特に今回はサンマリノGPということで、ここから最も近いフェラーリの期待が最も高く、12年前のここサンマリノで亡くなった故アイルトン・セナが持つ65回のポールポジション獲得記録を、フェラーリのミハエル・シューマッハが更新するかどうかにも注目がかかる。

復活したフェラーリ

F1ヨーロッパラウンド初戦M・シューマッハが復活優勝!

 今年の予選はノックアウト方式で速いタイムを記録したドライバーが3つのピリオドに分かれた予選を戦うが、今回強さを見せたのは地元フェラーリ勢であった。第1ピリオドはアロンソがトップタイムをマークするも、続く第2・3ピリオドでは、ミハエルがトップタイムをマークしポールポジション獲得。故セナが持つ記録を更新すると共にフェラーリ復活の狼煙をあげた。予選2番手にはホンダのジェンソン・バトン。3位もホンダのルーベンス・バリチェロと、ホンダエンジンとしては実に1992年以来の予選2-3位獲得となり、ホンダにも期待がかかる。
 そしてもうひとつ注目なのがスーパー・アグリの佐藤琢磨である。結果は21位と定位置ながら20位ミッドランドのクリスチャン・アルバースとのタイム差を0.5秒程度と僅差の争いとなった。4年落ちのマシンということを考えればかなりの健闘といえる。

ミハエルとアロンソの白熱したバトルが展開!

F1ヨーロッパラウンド初戦M・シューマッハが復活優勝!

 迎えた決勝レースはスタートでトップを守ったミハエルを、スタートでポジションアップしたアロンソが追いかける展開。予選5位のアロンソは1週目にバリチェロをかわし、15週目にバトン、19週目にフェラーリのフェリペ・マッサ、20週目のミハエルのピットインによって遂にトップへと躍り出る。
 そして、アロンソが25週目に最初のピットインを迎えミハエルの直後に付けたところからアロンソとミハエルのバトルが始まった。
 しかしここは抜きどころの無いイモラサーキット。昨年もレース終盤アロンソとミハエルの熾烈なトップ争いが行われたが、今年はポジションが逆。トップのミハエルをアロンソが追いかける展開。もう1回ずつ残すピット作業が実質的なトップ争いの焦点となる。
 アロンソは41週目、ミハエルが42週目にそれぞれピットインしたが、ここでの順位入れ替わりは無く、アロンソがミハエルの背後にぴたりと付ける。レースは結局そのままゴールしアロンソに2秒差を付けたミハエルが、昨年ミシュラン勢が決勝レースをボイコットしたアメリカGP以来の勝利を挙げた。

F1ヨーロッパラウンド初戦M・シューマッハが復活優勝!

 2位はアロンソ、そして3位に予選7位から追い上げたマクラーレン・メルセデスのファンパブロ・モントーヤ、4位マッサ、5位マクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネン、6位ウィリアムズ・コスワースのマーク・ウェバー、7位バトン、8位ルノーのジャンカルロ・フィジケラまでが入賞となった。

期待はずれのホンダと初のダブルリタイアのアグリ

F1ヨーロッパラウンド初戦M・シューマッハが復活優勝!

 ホンダは予選2-3位とかなりの期待がかかったが、結局は7位と10位と不本意な結果となった。これはタイヤ選択の問題もあるが、相次ぐピット作業のミスにより自滅した感も強い。フェラーリやルノーなら考えられないようなミスが起こるのが今のホンダともいえる。100%ホンダとしてチャンピオンを目指すにはまだまだ課題が多いようだ。
 そしてスーパー・アグリの2台だが、1週目に井出有治がアルバースのリアタイヤに接触しアルバースが5回転もする大クラッシュ。アルバースに怪我はなかったが、井出はレース後厳重注意処分となった。そして、その接触が原因で15週目にリタイア。琢磨も40週目にリタイアと琢磨の完走記録が途絶えた。スピード不足から来る井出の焦りが接触を招いているともいえ、信頼性と速さ、共にスーパー・アグリの課題となったレースだった。 井出にはシート喪失の噂も流れているので、次戦が正念場となる。

次戦は5月7日にドイツ・ニュルブリンクサーキットで行われるヨーロッパGPだ。