ライター紹介

221616 編集部

世の中の自動車ニュースとは一味違う視点でスローニュースを発信。編集部員はクルマ初心者からクルマをこよなく愛するマニアまで幅広いメンバーで構成。全国のガリバーで売れている中古車や車のスタッフレポートなど、生の情報をお届け中。

グリルまわりをチョコっと変更

クライスラーのPTクルーザーは、ネオンのプラットホームを使って作られたコンパクトカーだが、レトロ感覚の外観デザインが人気を集めて、日本で販売された当初は1年分に相当するくらいの大量の受注を集めたクルマだ。現在では売れ行きも落ち着いた状態になったが、レトロ感覚の外観デザインはほかのクルマにはない存在感を示している。
 そのPTクルーザーがマイナーチェンジを受け、外観デザインをフレッシュアップするなどの改良が加えられた。マイナーチェンジなので基本的なシルエットは変わらないが、前後のデザインを変更してより洗練されたエクステリアに仕上げている。
 特に変わったのがフロント回りでクロームのアクセントや大きくなったウイング型のクライスラーウイング、バンパーの形状などによって明らかに変わった印象を与えている。

基本デザインは変わらないので印象こそ変わらないが、多くのパーツをリ・デザインすることにより洗練されたイメージをさらに追求している。レトロなデザインを活かすには、やはりディティールに最新のトレンドを盛り込んでいることが必要だろう。

ヘッドライトのデザインが変更され、より豊かな表情を手に入れている。これはMCCスマートと同じ変更方法だと思う。同じダイムラークライスラーグループなので手法も似てくるのか?

テールランプも意匠変更。色合いがより明るいモノになり、新しくなったことをアピールする。

まるで違うクルマという印象のインテリア

インテリア回りのデザインはさらに大きな変更が加えられ、インストセンター部分の形状が一新されている。従来のデザインが凹凸のあるいかにもアメリカ車的なアクの強いデザインだったのに比べると、すっきりした近代的なデザインになった。マルチステージエアバッグやニーエアバッグの採用によって安全性も向上している。

インテリアの印象は大きく変わり、モダンな印象を増した。最近インテリアデザインに注目が集まる日本市場では、大きな反響を呼ぶのでは?

シートは特にレトロな印象もなく、現代のクルマとしてごく一般的なもの。このあたりの対比が面白い。

走りだけはキープコンセプトか……

走りの機能は基本的に変わらないが、2.4LのDOHCエンジンは相変わらずトルクフルな印象。5ドアハッチバックボディの大きさは、3ナンバーサイズとはいえさほどではないが、車両重量は1.5t近いのに、走りのフィールは想像する以上に軽快なものだ。
 電子制御4速ATはシフトノブのボタンを押すことでマニュアルモードに切り替わり、レバー操作によってマニュアル車感覚の走りが可能。ギア数が4速なのはやや物足りない印象もあるが、トルクの太さによって滑らかな走りが可能だ。
 ゆったりした感じながら引き締まった感じの硬めの乗り味を感じさせる足回りは、普通のアメリカ車とはかなり違ったスポーティなフィール。キビキビした走りを楽しむことができる。ただ、最小回転半径は6.1mとかなり大きめ。狭い場所での車庫入れでは切り返しが必要になる。

特に変更のないエンジン。もともと特記すべき機構等は備えていないが、2.4リッターという排気量を活かした豊かなトルクにより、十分な加速を実現している。数値にこだわらない大らかなパワーユニットと言えよう。

ワインディングロードのアップダウンを得意とするようなクルマでは決してないものの、少しはスポーティな印象ももっており、街中などではキビキビ走ることができるだろう。

アメリカの車であることを感じさせないフィーリング。独自の世界観を感じさせてくれる。