シトロエン C2
シトロエン C2

VTSには、最高出力125馬力を誇る高性能なツインカムエンジンが搭載される。トルクは細くなってしまったけれど、その分、高回転まで回すのが楽しいのでは? 5MTのみの設定というのもポイント!

シトロエン C2

ボディーカラーのせいか、ちょっと「トヨタ ヴィッツRS」に似ているようにも見える。しかし造形、機能の本質的なところはまるで異なり、こちらはあくまで「本物」であることを感じることが出来る。この佇まいは「模倣」をしているだけでは決して醸し出せない。

シトロエン C2

なかなか文章や写真では伝わりづらいけれど、フランス車の足回りは本当に絶品である。特にこの「C2 VTS」は、乗り心地がソフトでありながらコシがあり、とても運転が楽しい。

スタイル インテリア 走り&メカニズム

 C2VTSに搭載されるエンジンは基本部分は従来からのエンジンと共通だが、可変バルブタイミング機構を採用するなど、ヘッド回りにチューニングが施されていて、従来の80kW(110ps)から90kW(125ps)にパワーアップが図られている。トルクは147N・mから143N・mへとわずかに下がっているが、スムーズかつな回転の上昇とパワーフィールは従来のエンジンとは明確に異なるものだ。
 組み合わされるトランスミッションは5速MTのみの設定で、この点でもスポーティな仕様とされているのだが、シフトレバーのストロークが長くて操作性はさほど良いとはいえず、またクラッチペダルも相当にストロークが大きくてせっかくのエンジンのスポーティさをスポイルしているきらいがある。最近の日本車のシフトレバーなどは極端にストロークが抑えられているので、余計に不満に感じられるのかも知れない。
 足回りは相当に硬めのチューニングが施されている。従来からのVTRに比べると、スタビライザーの径を拡大したり、バネレートを高めたりして、高い操縦安定性を発揮する足回りとしているが、ホイールベースの短いコンパクトカーだけに、道路の継ぎ目を拾って乗り心地が悪くなっている。このあたりは好みの問題もあるが、もう少ししなやかさが欲しいと思う。
 ステアリングは電動式のパワーステアリングとなるが、高速域での手応えはとても重くなり、しかもシャープでダイレクトな操舵フィールを実現している。

代表グレード
1.6 VTS
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
3,670mm×1,660mm×1,460mm
車両重量[kg]
1,100kg
総排気量[cc]
1,587cc
最高出力[ps(kw)/rpm]
125ps(90kw)/6500rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
14.6kg-m(143N・m)/3,750rpm
ミッション
5MT
定員[人]
4人
税込価格[万円]
230万円
発売日
2006/2/24
レポート
松下 宏
写真
森山 良雄
スタイル インテリア 走り&メカニズム