世界初のハイブリッドでソフトトップ・モデル

 ゼネラルモーターズ・アジア・パシフィックジャパンは、3月30日から4月9日まで行われている、ストックホルム・モーターショーで、サーブ・バイオパワー・ハイブリッド・コンセプトを出展している。

 このコンセプトカーは、世界で初めてE100(バイオエタノール100%)燃料と電動モーターを組み合わせることで、化石燃料による二酸化炭素(CO2)を排出することなく、性能の向上とエネルギーの効率的利用による数々の機能を実現した。サーブ9-3コンバーチブルをベースとした今回のショーコンセプトは、世界初の化石燃料を使用しないハイブリッド自動車であると同時に、世界初のハイブリッド・ソフトトップ・モデルである。

 同車は、E100(バイオエタノール100%)を燃料とするエンジンを搭載。このエンジンは、サーブ 9-3シリーズに搭載されている現行のオールアルミ製16バルブ2.0リッター・ターボエンジンのバイオパワーによる進化形。260bhpの最高出力、375Nmの最大トルクは、ベースであるガソリンエンジンよりもそれぞれ出力で24%、トルクで25%向上しているという。

 このハイブリッドシステムには最新鋭の電子制御技術を使用。バイオパワー・エンジンの各動作を要素に合わせた制御を行うことで、シームレスなパワーアシストと省力機能の両立を可能にした。

 また、自動エンジン停止・始動機能により5〜7%の燃費低減も見込まれる。さらに、エンジンがすべての補助機能を停止した場合でも、バッテリーが電力をそのまま供給し続けるため、パワーステアリング、エアコンディショナー、灯火類などの機能にまったく影響は及ばない。エンジンに不必要な負荷をかけないことでさらに燃費が向上し、標準的な62リッターの燃料タンクを持つこのコンセプトカーの市街地・高速総合モードでの航続距離は、実に800kmの数値が予想されている。

 バイオエタノール燃料は、サトウキビやトウモロコシ、その他のバイオマスなどの農産物から量産される。CO2の排出量について考える場合には、供給原料、燃料供給、車両における燃焼といった一連の連鎖を考慮する必要があり、バイオエタノールの使用により、化石燃料のガソリンと比較して最大で90%のCO2排出量を低減することが可能になる。これはバイオエタノールを燃焼する際の排出ガスが、エネルギー源となる農産物の成長過程において大気から吸収するCO2の量と釣り合うからだという。