フロントマスクは996と共通部品が多い旧型ボクスター

ポルシェの雰囲気が存分に味わえる旧型ボクスターは200万台で買える

リヤビューは現行型ボクスターと大きな違いはない

 ポルシェの中古車で、今狙い目なのが旧型ボクスターでしょう。旧型ボクスターが登場したのは96年末。よって結構古くから売っていますが、04年の年末までは旧型が販売されていたので、あまり古臭さはありません。

 見た目にも先代911(Type996)と同じヘッドライトやボディパネルを使っていたので、ひと目でポルシェと分かるルックスも魅力的です。エンジンも911と同じように水冷の水平対向6気筒を搭載。デビューから99年秋までは2.5リットルでしたが、その後は2.7リットルに変更されています。同時に3.2リットルの上級モデル、ボクスターSが追加されました。

 現在の中古ボクスターの97〜98年式の相場は、安いもので200万円台前半。そこそこの走行距離と程度のもので250万円ぐらいでしょう。新車価格が600万円前後だったので、まだ残価率は4割程度と高いですが、ポルシェのブランド力ならこんなモンでしょう。

ボクスターのインパネも実は996と同じデザインだ

 2.7リットルになった中期以降のモデルはまだ高く、安いものでも300万円以上はします。この年式だとあまりエクステリアの違いは少ないので、狙い目は初期型の2.5リットル。確かに馬力は16馬力程度劣りますが、雰囲気で乗るクルマなので、その辺は目をつぶっておきましょう。

 ミッションは5MTと5速ATのティプトロニックが用意されていましたが、3分の2ぐらいがティプトロになっています。MTだとクラッチの滑りなど、買ってからも金が掛かる可能性もあるので、ティプトロのほうが無難かもしれません。

ボクスターを買うときには電動ソフトトップの状態やアクリルのリヤスクリーンは必ずチェック!

 他にもオープンカーなので、幌の破れや電動オープンのモーターなどは、購入時の要チェックポイントです。これらを直すと20万円近い出費がかかることもあります。またリヤのスクリーンは中期型まではアクリル製なので、屋外駐車されていたクルマは白く曇っている場合も多いので、後ろが見えないほど曇っていたら、購入時に交換を条件に契約するといいでしょう。

 ボクスターは911に先駆けて水冷の水平対向エンジンが使われていますが、特に大きなトラブルを聞くこともなく、同じぐらいの価格で買える古い911(Type964)よりは、全然信頼性が高く、ポルシェ初体験の人にもオススメできるモデルです。

現行型ボクスターも意外に安くて魅力的

現行型ボクスターも572万円と意外に安い!

 ちなみに現行型ボクスターは05年の初頭からデリバリーが始まっています。ベースグレードの5MTの価格は572万円と意外に安いので、高年式の中古車を400万円以上出して買うぐらいなら、頑張って現行型を買ったほうが幸せになれそうです。

 通常、オープンとクーペボディがある場合は、オープンのほうが高いことが普通なのですが、ボクスターとケイマンの場合はオープンのボクスターのほうが安く設定されています。もちろんエンジンが違うので、横並びには比較できないのですが、そんなことからも現行型ボクスターは、最近さらに魅力度を増したように思えてきます。

 今回撮影したボクスターは、内外出版社発行の「輸入車中古車情報5月号(3/20日発売)」で取材した時のものです。そちらにはGTレーサーでもある松田秀士さんのインプレッションや物件の詳細が掲載されていますので、是非そちらもご覧下さい。

次回は今が狙い目のポルシェ911編です。