懐かしさ漂う!6代目コルベット試乗記

街中でもスイスイ!

懐かしさ漂う!6代目コルベット試乗記

 アメリカを代表するスポーツカーのコルベットは1953年にデビューし、昨年6代目のコルベット(C6)がデビューした。今回試乗したのは、そのコルベット・クーペ。1500kgの車重に6000cc、404PSのエンジンを載せ、その大パワーを6MTであやつることになった。

 コルベットのドアを開けて、シートに座ってポジションを合わせるまでは、スイッチ類が分からず少々戸惑ったが、一度合わせてしまえば、特別な車だとは意識しない。適度の重さがあるクラッチを踏み込みスタートスイッチを押してエンジンを始動。1速に入れてゆっくり走り出すが、外観から想像したよりは街中を運転し易い。

車内は比較的静かで快適

懐かしさ漂う!6代目コルベット試乗記

 高速道路に入り、初めてフルスロットル。エンジンは昔ながらのOHVな為か、パワーと言うよりトルクでグイグイと法定速度まであっという間にスピードを上げる。さっさとギヤを飛ばして、6速でクルージング。エンジン音は車内に届かず、タイヤなどの走行音が侵入してくるだけで、安楽な車内。

 少し余裕が出てきたのでフロントグラスの下を見るとヘッドアップディスプレイがあるのに気がついた。しかし表示が見にくいので、少しシートを倒すとやっとはっきり見えるようになった。座高が高く、目が衰えてきた私にはやっぱりフツーのメーターの方が見やすい。

値段の割にナビが・・・。

懐かしさ漂う!6代目コルベット試乗記

 6代目コルベットを快適に運転をしていると、音楽が聴きたくなった。センターコンソールを見ると、ナビゲーションのディスプレイが鎮座しているがラジオのスイッチが分からない。ナビゲーションのパネルにソースの文字を発見。最初は後付のナビゲーションだと思っていたら、まったく気が付かなかった。700万円もする車なのに、DVD方式でディスプレイも古さを感じさる。できれば、早く最新のHDDモデルに代えて欲しい。

古きよき時代のアメリカを感じさせる

懐かしさ漂う!6代目コルベット試乗記

 高速を降りて再び一般道を走る。狭い道や、渋滞路を走っても気難しさはなく、自分の愛車のように身体が馴染んでくる。ドイツ車の硬質なボディに比べて、剛性が足りない。しかし、コルベットはそのボディの緩さが、懐かしさを感じ、古いハリウッド映画に出てくるアメ車の良い臭いが漂ってくる。

 追い越し車線を急いで走る国産車を横目で見ながら、パワーは有り余っているのにゆったりとクルージングする余裕ある走りがコルベットに似合っているように思える。今のアメリカが忘れた大らかな余裕のある大人の走りがピタリとコルベットにはハマル。最近忘れていたV8のエンジンの振動も心地よく身体に響く。雰囲気はマッチョで男っぽい車だが、女性が運転したら絵になるだろうな。