ダイハツ エッセ
ダイハツ エッセ

エッセから新搭載されたダイハツの新基幹エンジン「KF-VE」。3気筒ツインカムでDVVT機構を搭載しており、最高出力は58馬力となかなかパワフル。トルクを太らせて街中のゴー&ストップ、登坂性能などを格段に向上しているらしい。さらに軽量コンパクトで驚きの低燃費を実現しているとのこと。またFF車ならフロントが軽量になるのでハンドリングも良くなるだろう。

ダイハツ エッセ

最上級グレード意外には写真の「145/80R12」というサイズのタイヤをはく。今時珍しいサイズであるものの「軽自動車としての乗りやすさ」を重視すれば実にベストな選択だと言えよう。実際、このタイヤの厚みが生み出すソフトな乗り心地はとても魅力的なものである。

ダイハツ エッセ

最上級グレード「X」には「155/65R13」というサイズのタイヤをはく(写真はオプションのアルミホイール付)。見た目の印象が少しキリリと引き締まって見える気もする。ただ乗り心地や操縦性は12インチのモノとは異なって少し硬くなる印象だ。

ダイハツ エッセ

「これ以上何が必要なんだ」いうほど普通に走ってくれるエッセ。細かいことを気にしない人なら何も不満に思わないだろう。街中の走行では満足度の高い一台。

ダイハツ エッセ

スタイル インテリア 走り&メカニズム

 エッセにはアルミブロック製の新開発3気筒エンジンが搭載された。エンジンのアルミ化ではやや遅くなったが、コンパクトな燃焼室を持つロングストローク型エンジンで、パワー&トルクと燃費性能、排気ガス性能などを高いレベルでまとめている。5速MT車のみが設定されるEcoでは26km/Lとフィットを上回る燃費を実現した。ほかのグレードも全車が平成22年基準+5%を達成し、FF車の★★★★、4WD車の★★★と合わせてグリーン税制の適用が受けられる。
 この3気筒エンジンは吹き上がり、パワー感とも軽自動車の水準を超えたもので、走りの良さに関しては十分に納得できる。4速AT車は変速ショックの少ない滑らかな走りが可能だし、3速ATの変速フィールもそれなりに良くできている。ただ、どちらにしても室内騒音は相当に大きなレベルである。
 足回りはかなり柔らかめのチューニングが施されていて、コーナーなどでは大きくロールして不安感を感じるほど。ダブルレーンチェンジをするような状況にはなりたくないクルマだ。ステアリングも手応えが軽すぎる上に中央のレスポンスがダルな印象で、しゃきっとした感じに欠けている。
 低価格の軽自動車を仕上げたのは良いが、必ずしも“良いものを安く”とはならなかったような印象。中国製のドアガラスや韓国製のタイヤなどに象徴されるように、いろいろなコストダウンの工夫がなされているが、それに伴って質感も不足している印象がある。
 最上級グレードのXはATが4速になるほか、専用の装備や仕様がいろいろと用意されているため価格は90万円台に達する。割安な軽自動車という印象が薄れてしまうのも確かだ。だから、本当なら割り切って10万円ほど安いLを選びたいところだが、電動格納式ドアミラー、オートエアコン、全面UVカットガラスなどの違いに加え、エアコンのプラズマクラスターとクリーンエアフィルターをオプションで装着できるのもXだけとなるなど、仕様の違いが案外大きい。お勧めはXになる。

代表グレード
X
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
3,395×1,475×1,470
車両重量[kg]
720
総排気量[cc]
658
最高出力[ps(kw)/rpm]
58(43)/7,200
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
6.6(65)/4,000
ミッション
4AT
10・15モード燃焼[km/l]
22.0
定員[人]
4
税込価格[万円]
92.4
発売日
2005.12.19
レポート
松下 宏
写真
和田 清志
取材協力
スタイル インテリア 走り&メカニズム