ニッサンR38シリーズ

日本のモータースポーツの黄金期を支えた名レーシングカーが登場!

 日産車に惚れ込んでいるモータースポーツファンを狂喜させるビッグなイベントが『NISMOフェスティバル@富士スピードウェイ2005』だ。新装なった富士スピードウェイで2年ぶりに開催されたが、朝早くから日産ファンがゲート前に押しかけるなど、熱気にあふれている。御殿場に向かう東名高速道路も、日産車ばかりだった。

 歴代のレーシングカーが一堂に会したが、フェスティバルの目玉となったのは1960年代後半のレースシーンを華麗に彩った「ニッサンR38シリーズ」のデモ走行だ。この日のためにきれいにレストアされたニッサンR380A−II改(67年)のほか、68日本グランプリを制した“怪鳥”ニッサンR381、69日本GPの覇者、ニッサンR382が勢ぞろいした。日産とプリンスの設計陣が手塩にかけて育て上げた3台は、日本のモータースポーツの黄金期を支えた名レーシングカーだ。往年のモータースポーツファンにとっては懐かしさとともに青春時代が甦ってくるだろう。

ライバルのトヨタ7までもがデモランに登場!!

 朝8時のウォーミングアップ・ランのときは、薄日が射していた。が、昼前に雨が降り出し、すぐにミゾレに変わった。その間隙を縫ってニッサンR38シリーズはデモランを開始する。

 スカイラインGT−Rに積まれたS20型エンジンの母体となる2リッターの直列6気筒DOHCエンジンを積むR380は、甲高いエキゾーストサウンドを轟かせ快走する。ステアリングを握るのは第3回日本GPの優勝者、砂子義一の息子、砂子塾長(智彦)だ。

 ニッサンR381には68年の日本GPを制した北野元が、R382には高橋国光が乗った。それだけではない。サプライズカーも用意されていたのだ。当時、宿敵のライバルだったトヨタ7がデモランに参加したのである。

 トヨタ7については前に書いているが、R382とバトルを展開したのは5リッターのV型8気筒エンジン搭載車だ。元トヨタワークスの鮒子田寛(現インギンス監督)が、当時そのままにステアリングを握った。

 午後からは本降りの雪となったが、2万7100人の熱心なファンは震えながらGT−RやフェアレディZの勇姿に見入っている。

30余年の歳月を経て富士スピードウェイに再び

ニッサンR38シリーズ

 30余年の歳月を経て富士スピードウェイに姿を現したニッサンR38シリーズ。左からニッサンR380A−II改、シボレー製のV8エンジンにエアロスタビライザーを組み合わせたニッサンR381、6リッターのV型12気筒エンジンを積むニッサンR382

歴代のスカイラインを筆頭に名車が続々

ニッサン スカイライン

 模擬レースを行う予定だったが、天候が悪かったためパレードランに変更された。グループAレース仕様のR32カルソニック・スカイラインを筆頭に、スカイライン勢やフェアレディZ勢が並ぶ。歴代のツーリングカーが出場し、サニーは華麗な走りを披露した。

往年の名車が大行進!

ニスモフェスティバル デモラン

 67年秋にスピード記録に挑戦したニッサンR380−AII改を先頭に、エアロスタビライザー装着のニッサンR381、6リッターV12エンジンのニッサンR382がデモ走行を演じた。その後ろにはグループA仕様やGT選手権仕様のGT−R、フェアレディZなどが続く。