「SHIFT_elegance」エレガンスをシフトする 〜ターゲットはオトナの女性〜
日産は「ブルーバード シルフィ」をフルモデルチェンジし、12月21日より発売開始した。
5年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型「シルフィ」の商品コンセプトは「もてなしと気配りのラグジュアリーミディアムサルーン」。オトナの女性が自ら運転したくなる、そんなクルマを目指したのだという。女性がクルマに求めることを徹底的に追求し、“美しいデザイン”と“機能”を融合させているのが特徴だ。
エンジンは、セレナで採用されている新型MR20DE2.0リッターエンジンと、ティーダに採用されているHR15DE1.5リッターオールアルミエンジンを搭載。ともに中低速域での取り扱いや加速性能を向上させている。
もちろん、初代モデルのウリであった環境性能はさらに高められている。全車が「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(SU-LEV)」に認定されているほか、「平成22年度燃費基準」を達成し、グリーン税制の適用も受けられる。これなら、お財布にうるさい女性でも大丈夫だろう。
エクステリアは、ワイドグリルと華やかな縦長ヘッドランプで上質感を与えるとともに、グリルからヘッドランプへ連なるS字カーブ(「S-motion」デザイン)が車格感を表現している。さらに、フロントからリヤに向けて流れるようなデザインとし、美しい曲線で上品さを一層高めた。
また、立体的なリヤデザインも車格感を表現するとともに、幅いっぱいに配置されたテールランプがワイド感を強調している。
ボディカラーには、セシルブルー、ミスティラベンダー、シルキーベージュ、ローズレッドと“華やか”を演出する4色の新色が追加された。
インテリアは、インストルメントパネルに美しいS字ライン(これも「S-motion」デザイン)を取り入れエレガントな雰囲気を演出し、おしゃれなアイボリーメーターと高級感のある木目調シフトノブをアクセントとしている。
さらに、立体感のある「シェル・シェイプ」シルエットの大型サイズシートに、滑らかでしっとりとした手触りの「シルキースエード」をシート地に採用し、ゆったりと包まれるワンランク上の上質感を提供している。
また、先代での弱みでもあった後席ニールームの広さも改善され、国産上級車を上回る680mmを実現し、ゆったりと足を組める程の空間が確保された。
装備面では、9.7Lと大容量の「スーパーマルチコンソール」やスナップを外すと広がる「シートバック2ウェイポケット」のほか、使い勝手の良い大容量の「グローブボックス」を採用し収納力が向上した。
さらに、ドライバーを認識し、自動的にシートとドアミラーの位置をセットする「インテリジェントキー連動運席オートドライビングポジションシート」や、排出ガス検知式内外気自動切換え機構を備えた「インテリジェントエアコンシステム」をこのクラスで初採用するなど、利便性を高めるとともに快適な室内空間も実現している。
「クルマが人を守る」というけれど・・・
さて、安全性能については、定評のある「ゾーンボディコンセプト」を採用するなど、受動安全・能動安全の両面をサポートしている。
しかし、近年普及しつつある横滑り防止装置、ESC(日産では「VDC・ビークルダイナミクスコントロール」と呼ぶ)が、オプションリストにすらその名前が無い、というのは2005年末にデビューするクルマとしては心もとないことだ。ぶつかってから身を守るエアバッグもゾーンボディも大事だが、ぶつからないための安全装備はもっと重要。いっそ全車標準装備にするくらいの意気込みが欲しいところである。ぜひ早期の装備追加を期待したい。