見た目よりも、コンセプトよりも、その中身に注目を!
見た目が大きく変わらなかった二代目ロードスター。パワーユニットに関しても大きな変更は見られなかった。用意されたエンジンは前代と同じく1.6リッター/1.8リッターの直4エンジン。もちろん改良は施されているので、最高出力は125馬力と145馬力にパワーアップしているのである。
なんだか、このように書いていると何も変わっていないように思われてしまうが、トランスミッションだけは大幅に変化した。MTが5速から6速へ。新開発の5速MTが1.8リッターにのみ設定されるようになったのである。
初代からの正常進化。それ以外のフレーズが見あたらない二代目ロードスター。初代の登場時期とは違い、二代目が誕生した時代は世界的にミニバンや、SUVがブームとなりはじめていた頃。荷物も詰めない人も乗れない2シーターオープンスポーツには逆風が吹きまくっていたのである。
しかし、売れ続けた。
爆発的なヒットにはならなかったが、コンスタントに販売台数を増やし続けていたのである。その証拠に、2000年7月には「世界で最も多く生産された2人乗り小型オープンスポーツカー」としてギネスに認定され、2004年3月には累計生産台数が70万台に達すまでになったのである。
この数字は、そう簡単に作れるものではない。70万というものすごい数字の陰には、何度となく行われた小変更で熟成を重ね、魅力的な限定車や特別仕様車を販売したからというのがある。なにしろ、これは事実なのだ。徹底的に熟成されてしまったのだ。ロードスターというオープンカーのボディ形状を指す言葉を車名に選んだにもかかわらず、固い屋根を持つロードスタークーペを販売したり、ターボ車種が軒並み消えていく中で、ターボエンジン搭載車を登場させたりしたのであるから。
徹底的に、本当に徹底的に改良され続けたロードスター。初代から数えれば15年以上も前後ダブルウィッシュボーンのサスペンションを持つFR2シータースポーツは熟成され続けたのである。シングルモルトのウィスキーだって15年も熟成を重なれば超一級だ。
もちろんロードスターも、超一級品だ。
しかし、時代は繰り返すのである。世界中のクルマ好きは新しいロードスターの登場を熱望するようになったのであった。