正直なハナシ、02年デビュー当初はイマイチ印象が良くなかった。オリジナルの英国製「ローバーミニ」が好きだったせいもある。ニューミニは「イロモノ」というか、数あるパイクカーの類のひとつのように思えた。イギリスの偉大なる伝統的ビックネームをドイツのメーカーがリバイバルさせた、という背景も、いちクルマ好きとして、なんだか素直に受け止めることが出来なかった理由のひとつ。
もともと、クルマといえばコンパクトカーが大好き。愛車だって3台続けて輸入コンパクトカーだ。アンチ「ニューミニ」派を気取りながらも、そのキュートなスタイリングには、デビュー当時から一目置いていた。単なる懐古趣味のレトロカーに堕さず、現代的解釈でスタイリッシュに「ミニ」を表現しているあたり、上手いもんだと素人ながらエラそーに感心していたのは確か。
で、とある週末。ふと気になって立ち寄った近所のディーラーで、何の気なしに試乗したのが運の尽きだった。
いざ街中を走り出した時の第一印象は「お!むちゃくちゃしっかりしてる!」。
がっしりしたボディが生み出すフィールはまさにドイツ車のそれ。コンパクトカーにありがちな頼りなさ、華奢な感じはみられず。凄いじゃん。
メーカー自身が「ゴーカート」というキビキビした走りもファンそのもの。荒れた路面ではちょっとばかりひょこひょこハネたりするけれど、それもまたご愛嬌。
営業さんのご好意に甘え、気付けば30分以上も近所をグルグルと、夢中で走り続けていたのでした。
「こりゃホンモノだ!」
気付けば、ミニの魅力のとりこになってしまったというワケ。
いざ気になりだすと止まらないのがマニアの習性。クルマ関係に強い書店に出向き、ニューミニ関連の記事が載った本を買いあさり。いやあ、これがまた沢山出ているんだな。
部屋に帰ればディーラーから頂いたミニのカタログ(これ、内容盛り沢山で必見デスヨ!)でボディカラーと内装の組み合わせに悩み、豊富なオプションリストを見てまた悩み。
別に買うと決めた訳でもないのに、気付けば「お乗り換え妄想」状態。我ながら単純なもんだ。でも、そうさせてしまう魅力が、確かにミニにはある。
なんせデビューから既に4年目を迎えたというのに、いまだコンスタントに月間1000台も売れ続けている大人気車なのだから。1000台といえば、下手な国産車なんかよりよほど多く売れているということ。輸入車としては異例の数なのである。これほど多くのユーザーをひきつける理由、ちょっと気になってきたでしょ?
そんな中、ひょんなきっかけからミニユーザーのオーナーズクラブ取材で名古屋行きが決まり。「CORISM編集部員」としては、新幹線で行くのはダメでしょ。これも何かの縁、ミニの魅力を徹底的に「CHECK&TRY!」してみるべく、デビュー4年で熟成極まるミニを借り出したのでした。いざ名古屋、往復900kmの旅へ!
【写真:渡部祥勝&CORISM編集部】