スタッドレスタイヤカタログ 2005-2006
スタッドレス博士がお答え!素朴な疑問Q&A
スタッドレスタイヤの購入前・購入後に役立つQ&Aを大紹介!スタッドレスに関する知識を深めれば、きっと自分にピッタリなスタッドレスタイヤが手に入るはずだ!
Q1 そもそもスタッドレスタイヤってなに?
 
A1 昔の冬用タイヤといえば、タイヤの接地面に金属製のピンを埋め込んだ「スパイクタイヤ」が主流じゃった。だが、そのピンが舗装路面を削ってしまうことで、アスファルトの粉塵が舞い、環境への悪影響が問題化してしまった。そのためスパイクタイヤの販売・使用は禁止となり、それに変わって登場したのが、びょう(スタッド)のない(レス)タイヤなのじゃよ。その技術は年を追うごとに進歩し、雪道やアイスバーンでの走破性・ブレーキ性能が向上した。最近ではゴムの柔らかさを保つ技術が盛り込まれて、数シーズンに渡って使用できるようにまで進化しておるぞ。

接地面に無数の溝が刻まれているスタッドレスタイヤ。使われるゴムは普通のタイヤよりも柔らかくて、低温下でもしなやかさを失わない。
Q2 どうしてスタッドレスタイヤは雪道でも走ったり、止まったりできるの?
 
A2 各タイヤメーカーが、それぞれ創意工夫を凝らしたスタッドレスタイヤを開発しておるが、特に大事なのが「除水性能」と「グリップ力の確保」じゃ。タイヤが滑ってしまう一番の原因は路面上の水分なのじゃ。それをタイヤ表面で吸い込むと同時に、タイヤの回転する力を利用して排水したり、ゴムの撥水性を利用して水膜をはじき飛ばすなどして、滑りの根本原因を取り除く工夫が凝らされておる。また、発進する時やブレーキを踏んだ時に、タイヤのゴム(コンパウンド)に含まれるミクロ単位の突起物が路面をひっかいて、クルマを安全に走らせたり、停止させたりするためのグリップ力を稼ぎ出すものもあるぞ。

ヨコハマタイヤの新作「ice GUARD BLACK iG20」に採用されている「ブラック吸水ゴム」の拡大写真。コンパウンドの中に無数に含まれる空洞が氷上の水膜を吸い込んで、タイヤ表面がしっかり接地するから、クルマは滑ることなく走ったり止まったりできるのだ。

左の「ice GUARD BLACK iG20」のコンパウンドには、内部を多層構造とした空洞も含まれている。毛細管現象を利用して吸水力をアップしているので、より効率的な除水性能を発揮する。

ダンロップのデジタイヤスタッドレスには、ミクロレベルで氷雪路をひっかく「ビッググラスファイバー」が採用され、摩擦力を向上することで、強力なブレーキングを実現する。
Q3 スタッドレスタイヤを選ぶ時のポイントは?
 
A3 まずは自分が乗っているクルマのサイズに合うものを探すのが肝心じゃ。ちなみにタイヤのサイズは、大体クルマのドアを開けたところに書いてあるぞ。次に自分なりの使い道を考えてみよう。「レジャー用としてワンシーズンだけ使えればいい」というなら価格を優先してもOKじゃ。だが、数シーズンにわたって使いたいのならば、各商品の耐久性にも注目したいところじゃ。ゴムのしなやかさを長期間にわたって持続する工夫が盛り込まれていれば、その分長持ちして、結局はお買い得だったりもするぞ。実際の効きや乗り味について知りたければ、販売店のスタッフに意見を聞いてみるのもいいじゃろう。
Q4 交換にはどれくらいお金がかかるの?
 
A4 スタッドレスタイヤの価格は、銘柄やサイズによって千差万別じゃ。販売店によっても異なるので一概には言えんが、例えば5ナンバーサイズのミニバンに多い195/65R15を例にとると、大手量販店の場合は、1本につき大体1万5000円〜2万円くらいで販売されておるようじゃな。同じく大手量販店で新品を購入した場合の交換工賃が1本につき約1000円くらい。締めて6万4000円〜8万4000円くらいのお金はかかることになるわけじゃ。当然ながら、基本的にはサイズが小さければ小さいほど安くて、大きければ大きいほど高い。自分のクルマのサイズが、各商品でどれくらいの価格で売られているのか、販売店に問い合わせてみるとよいぞ。
Q5 お金を安く抑える方法ってあるの?
 
A5 長い目でみれば純正のタイヤ&ホイールよりもサイズを小さくする、「インチダウン」もひとつの手じゃな。新しいホイールを用意しなければならんが、タイヤのサイズが小さくなることで価格を抑えることができるから、2シーズン目以降の交換にかかるコストを抑えられるぞ。お店によってはホイールをセットにした格安スタッドレスを取り扱っているところもあるしの。それに、タイヤが小さくなって細身になる分、雪道にできる轍(わだち)に足をとられにくくなるなど、走行面でのメリットもあるぞ。特に大径ホイールと偏平(タイヤの厚みが薄い)タイヤを組み合わせているスポーツカーなどにはおすすめじゃ。
Q6 スタッドレスタイヤって何シーズンくらいもつの?
 
A6 各メーカーの技術革新によって、スタッドレスタイヤの寿命(=耐久性)は年々向上しておる。使用する期間や保管方法にもよるからこれまた一概には言えんが、一般的には3シーズンはまず問題なし、4〜5シーズンまでは使用できると言われておる。スタッドレスタイヤの使用限度は溝の残り方ではなく、ゴムの硬化がどれだけ進んでいるかがポイントじゃ。触ってみて明らかにカチコチになっておるものは、もはや効きは期待できんじゃろう。少しでも長持ちさせたいなら、Q&Aの9番で紹介しておる保管方法を参考にするのじゃぞ!
Q7 スタッドレスタイヤで雪道を走る時のコツは?
 
A7 雪道での効きが確保されているスタッドレスタイヤとはいえ、通常よりも制動距離が長くなることは確かじゃ。スタッドレスタイヤの性能を過信せず、車間距離はいつもより長めにとっておきたいものじゃ。また、クルマの姿勢が不安定になりやすい雪道では、急発進、急ブレーキは絶対に避けねばならん! 最近のスタッドレスタイヤは横方向のグリップ力を確保したものも多いが、コーナリングやレーンチェンジの時には余裕を持ったスピードで、慎重に行うのが肝心じゃ。
 

ダンロップの新作「DSX」の制動性能を示す実験結果。技術の進歩によって、スタッドレスタイヤの制動距離は確実に短くなっている。とはいっても運転はくれぐれも慎重に。
Q8 ミニバン専用やSUV(4WD)専用って何が違うの?
 
A8 ミニバンやSUVは普通乗用車よりも車重が重たく、荷物をたくさん積んだり、たくさんの人が乗ることも多い、というのは知ってのとおりじゃ。そのために各メーカーは乗用車用とは異なる専用設計のスタッドレスタイヤをつくっておる。重心が高く、コーナリング時にふらつきやすいミニバンやSUV用のスタッドレスは、あらゆる方向(特に横方向)に強いグリップ力を確保できる、独自のトレッドパターンを採用しているものがほとんどじゃ。それに、重量に耐えられるよう、タイヤの内部構造をより高強度な素材で作るといった工夫も盛り込まれておるから、ミニバンやSUVユーザーには、ぜひ専用設計のスタッドレスをおすすめしたいのう。
 
トーヨータイヤのミニバン専用スタッドレス「MK3」は、どんな方向に荷重がかかっても、しっかりとしたグリップ力を発揮する「スパイダーサイプ」などの特許技術を採用。コーナリング時でもタイヤがしっかりグリップしてくれるので、ふらつきやすいミニバンでも安心して操作に集中できる。

「MK3」はタイヤへの負担が大きいミニバンの特性に合わせて、タイヤの内部構造をより高強度・高剛性の素材で作ってある。そのためブレーキングやコーナリング時の安定感が高いのだ。
Q9 外したスタッドレスタイヤはどうやって保管すればいいの?
 
A9 保管場所としては、雨や直射日光が当たらない日陰で、風通しがよくて湿気のないところがベストじゃ。汚れを落としてよく乾かしてから、市販のタイヤラックにおさめるのが理想的じゃな。タイヤラックがなければ4本重ねて置いておく方法でもよい。通気性を確保するために、すのこを下に敷いて、雨や風をよけるカバーをかけておくと、より効果的じゃ。それから融雪剤が撒かれている地方の雪道を走った後は、ホイールや車体の錆が心配じゃのう。シーズンを終えたら必ず洗車をして汚れを落とし、錆を防ぐよう心がけるのじゃ。
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