コンパクトなのに豊富なラインナップ。それはLVシリーズとなっても同じ
コンパクトなのに、とても広い室内空間で大人気のキューブ/キューブキュービックにも、日産自慢の福祉車両シリーズ、LV(ライフケアビークル)が設定されている。様々なLVが設定されている日産車であるが、キューブ/キューブキュービックはその中でも1位、2位を争う豊富さとなっている。楽に乗り降りが出来る乗り降りの手助けが出来るアシャンテ、車いすのまま乗り降りできるチェアキャブ、運転補助装置で運転が出来るドライビングヘルパーという3ラインが用意されているのだ。
助手席回転シートと助手席スライドアップシートが用意されているアシャンテ
楽に乗り降りが出来、乗り降りの手助けが出来ることが特徴のアシャンテには助手席回転シートと助手席スライドアップシートが用意されている。助手席回転シートは軽いレバー操作で助手席を外側に90度回転させ、車外に最大130mmスライドするというモノ。標準装備の助手席アシストグリップで、乗り降りは楽々。さらに標準車と同じく撥水加工シートを採用し、シートスライドも可能なので標準車と同じような使い勝手を楽しめるのも自慢のポイントである。なお、乗車時の助手席回転シートの室内前後スライド量は200mmとなり、フルリクライニング及びフルフラット機能は使用できないとのこと。収納式ペットボトルホルダー(フロント2個)、大型フロントアームレスト(収納ボックス付)、センタースリット、センターコンソールボックスも装備されないのでご注意を。
助手席スライドアップシートは回転から昇降までをスライドをすべて電動で行い、シート座面高が約460mmと車いすの高さまで降りてくるというもの。操作スイッチ、もしくはワイヤレスリモコンで簡単操作可能で、シート自体も車内で約85mmの電動スライドをすることができ、素材も撥水加工シートだという助手席スライドアップシート。 まさに便利でありながら、普段使いにも問題がない仕上げとなっているのだ。なお、助手席スライドアップシートにも但し書きがあり、フルリクライニング及びフルフラット機能は使用できず、チャイルドシートの装着も不可なのである。
車いすのままスムーズに乗り降りできるチェアキャブ
LVシリーズのチェアキャブとは後部車高を低下させ、スロープが自動で展開し、車いすのままスムーズに乗り降りできるというもの。スイッチ操作で後部車高が約90mm下がり、スロープ角度が緩やかになり、車いすを押してのスロープによる乗り降りがスムーズに行えるニールダウン機構(車高降下装置)がついているので、車いすを押す人の負担も軽減されているという。バリエーションは2タイプ設定されており、定員5名(車いす乗車時3名)リヤシート有/スペアタイヤ有仕様と、定員3名(車いす乗員含む)リヤシート無/スペアタイヤ無仕様が設けられている。
このチェアキャブで注意しなければいけないポイントは、車いすの大きさ。車いすの寸法が全長×全幅で1100mm×650mm、車いすに座った状態での頭上までの高さ1295mm。また前輪と後輪の間が745mm以下のもの、地面・フットレストが50mm以上(車いす固定装置(電動式)の場合は(90mm以上のもの)、地面〜ハンドルが720mm以上のものとなっている。そして、スロープの耐荷重は200kg(車いす+車いす搭乗者+介助者)ともなっているのでご注意を。
運転補助装置で運転できるクルマ、それがドライビングヘルパー
キューブ/キューブキュービックのLVシリーズに設定されているドライビングヘルパーはオーティックドライブギアタイプeと呼ばれている。アクセル操作に電子制御方式を採用し、運転する楽しさを追求する作りとなっている。ドライブギア タイプe専用運転席や、運転席に座ったまま助手席を倒すことができる助手席倒しレバーなどが標準装備となっている。が、一番うれしく使い勝手がいいサイドシルガードが標準装備されているのがうれしいところ。これがあるために車いすとの接触で車体に傷が付きにくくなっているのである。
仕様 | 助手席回転シート |
ベース車/グレード | キューブ/15M |
価格(消費税込み) | 160.965万円 |
仕様 | 助手席スライドアップシート |
ベース車/グレード | キューブ/15M |
価格(消費税込み) | 188.79万円 |
仕様 | チェアキャブスロープタイプ/車いす固定装置(電動式)装着/リアシート有り/スペアタイヤ有り/ |
ベース車/グレード | キューブ/14S |
価格(消費税込み) | 200.98万円 |
仕様 | オーティックドライブギアタイプe装着者 |
価格(消費税込み) | 159.3万円 |
レポート | 神田卓哉(CORISM編集部) |
写真 | 日産自動車 |
アシャンテシリーズは標準車と同じようにキューブでのドライブを愉しむことが出来る。
チェアキャブはニールダウン機能がつき、車いすでの乗り入れが簡単に出来るようになっている。
腕だけで運転できるオーティックドライブギアタイプe。運転する楽しみを味わえるドライビングヘルパーモデルである。