氣志團のネタ元は名作マンガなのである

 「よろしくメカドック」。原作は次原隆二氏。週間少年ジャンプにて連載が行われ、1984年9月よりフジテレビにてアニメ放映がなされた作品なのである。これが木更津の生んだ偉大なるヤンク・ロックバンド氣志團のメイン・パフォーマーの綾小路"セロニアス"翔が口にする「よろしく!メカドック」は、ここが発信地なのである。(以上、前フリ)

どーでもいいけれど面白かったのですよ。メカドック。

 で、メカドックのオハナシ。この作品は自動車マンガ界においてエポックメイキングな作品でもあったのですよ。それまでの自動車マンガは「サーキットの狼」や「ドロファイター」のようにレース自体に重きを置いたモノばかりだったのです。が、「よろしくメカドック」では、日本漫画史上はじめてクルマの改造にハナシの中心がおかれたのですね。以上のような理由で、物語の舞台となったのはサーキットではなく、ショップ。ハナシのキーとなるのはクルマ(もしくは登場人物)そのものではなく、クルマの改造ポイントだったりするのです。

その中でも凄かったのはセリカXX

 さてさて。「よろしくメカドック」では主人公の風見潤が、自身の勤務するカーショップ「メカドック」にて愛車をチューニングし、様々なライバルを倒していくというストーリー展開となっておりました。フェアレディZに、CR-Xなど様々なクルマが登場するのですが、なかでも個人的に大好きなのがセリカXX(ダブルエックス)だったりするのです。
 で、セリカXXが世の中的にはどんなクルマかの説明は省略しまして、「よろしくメカドック」という作品の中ではどのように扱われていたかの説明をさせて頂きます。
 まず、登場したのがキャノンボールトライアル編と呼ばれるパートです(単行本だと、たしか2巻目からスタート)。九十九里浜をスタートして、だれが江ノ島に一番速く着けるのかというレース設定になっていましたね。ここに風見潤はセリカXXで参戦するのです。
 もちろん、ノーマルで参戦するハズがありません。まず2800ccのエンジンを2900ccオーバーまでボアアップ。このエンジンを2基のターボで加給し、おまけにニトロまで装着。それで最高出力は250馬力オーバー。
 凄いですねぇ。時代を感じさせますね。21世紀の現在、2.8リッターのツインターボ、それもチューニングカーであれば300馬力オーバー確実、へたしたら500馬力くらいにいってしまいます。でも、250馬力オーバー。やっとこがんばって250馬力。まぁ、ノーマルが170馬力だったのですから、しょうがないといえばしょうがないのですけれど。

子供の頃は凄い世界に思えたのです

 でもね、純粋無垢なお子様だった頃は、それがものすごく凄い世界に思えていたのです。セリカXXっていうクルマは、とてつもないスーパーカーだ。そうやって信じていたのです。そこから人生が大きく間違ってしまったのです。
 人の人生に大きな影響を与えてしまったマンガ、それが「よろしくメカドック」。当然、自宅には全巻そろっています。