511馬力のレーシングコルベットがついに日本の公道を走る!
ゼネラルモーターズ・アジアパシフィック・ジャパンは第39回東京モーターショーに出展したコルベットZ06を2006年2月4日より日本で発売すると発表した。
コルベットZ06は、伝統あるル・マン24時間レース優勝をはじめ、モータースポーツの舞台で幾多の輝かしい戦績を残してきたコルベットのレース活動から得た知識と技術を元に開発されたモデルである。そしてなんと、新型Z06は現在、ALMS(アメリカン・ル・マンシリーズ)などで活躍するレーシング・モデル・コルベットC6-Rと並行して開発され、モータースポーツの最新技術が惜しみなく投入されているのである。
驚異の7リッターV8OHV、511馬力エンジン!
さて、コルベットZ06。そのキモといえばなんと言っても、搭載エンジンである。ロングノーズの中に収まるのは新開発のLS 7.0リッタースモールブロックエンジンである。コルベットというか、シボレーというか、GMは、何故か21世紀の現在においてもOHVエンジンにこだわり続けている。特に、スポーツモデルであると、それが顕著なのである。OHC(DOHC)エンジンに比べ重心が低い(シリンダーブロックの上に複雑な機構がないため)、メンテナンスがしやすい(パーツ点数が少ないため)等々様々な理由があり、シボレーはコルベットにOHVエンジンを搭載し続け、レースで勝ち続けているのである。
泣く子も黙る7リッターの大排気量がたたき出す511馬力の最高出力。排気量任せの馬鹿力エンジンに思えてしまうが、その内部にはチタニウム製コネクティングロッドおよびインテーク・バルブが採用されていたり、CNS加工がなされたポートを持つアルミ製シリンダーヘッドが装着されていたりするのである。
OHVであるが、中身は完全にレーシングエンジンであるということだ。ちなみに、オイル循環システムはドライサンプ方式となっており、アルミ鍛造フラットトップピストンや、鍛造製クランクシャフトまでもが採用されているのである。
背骨から鍛え上げられたZ06
さすがアメリカンスポーツの雄である。パワーだけだったらヨーロピアンスポーツに負けていない。なんて憎まれ口をたたかれてしまいそうなスペックであるが、コルベットZ06は量産市販モデルであるのに、クルマの骨格から手が加えられているのである。
コルベットは代々高剛性のフレームを持つ構造となっている。現行コルベットにおいてもハイドロフレーム成型による高剛性のスチール製フレームを採用している。Z06ではなんと、スチール製のフレームではなく、オールアルミ製フレームを採用してしまっているのだ!併せて、随所に複合素材や最新の生産技術を適用することにより、軽量化と剛性の向上を図っているのである。ボディに関して細かく書いていくときりがないのでやめておくが、Z06ではエンジン・クレドールに高剛性マグネシウムを採用したり、フロントフェンダーや乗員フロアにカーボンファイバーを採用していたりするのだ
クルマの骨格だけをとってもとんでもなく手が加えられているが、足回りにおいても、当然、チューニングがなされている。サスペンションはコルベット伝統の不等長アームのダブルウィッシュボーン式で、複合素材の横置きリーフスプリングを備えるが、Z06では独自の強化スタビライザーとしてリア・サスペンションに専用スプリングを採用するパフォーマンス・ハンドリング・パッケージを装備。ブレーキはフロントが355mm(ノーマルコルベットは325mm)の6ポッド、リアは340mm(ノーマルは305mm)の4ポッドを備えているのである。
ポルシェやフェラーリに真っ向立ち向かえるスポーツカーに生まれ変わったZ06。その価格は945万円となっている。
代表グレード
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Z06
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排気量
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7リッター
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最高出力[ps(kw)]
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511ps(376kW)
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ミッション
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6速MT
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定員[人]
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2人
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税込価格[万円]
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945万円
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発売日
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2006年2月4日
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レポート
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神田卓哉(CORISM編集部)
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写真
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ゼネラルモーターズ・アジアパシフィック・ジャパン
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