優勝したブガッティT35A(1926年製)

優勝は1926年式のブガッティT35A。

 日本の昭和初期、1927年にイタリアの青年実業家や貴族たちによって企画され、開催された公道レースが『ミッレ・ミリア』だ。ミッレ・ミリアはイタリア語で1000マイルのこと。2人のドライバーがコンビを組み、1600kmの道程を一気に走り、順位とタイムを競う。

 日本語にすると『四百里』競争というわけ。だが、30年の節目を迎えた57年に開催は途絶えた。ファンの熱いラブコールと努力によってイベントが復活したのは、休止から20年を経た77年である。新しいミッレ・ミリアはラリー形式のタイムトライアルだ。日本では97年に第1回の『ラ・フェスタ・ミッレ・ミリア』が開催され、2002年には国際クラシックカー連盟(FIVA)から国際ラリーとして公認のお墨付きをもらっている。

 このラリーに出場できるのは、一部の例外(トヨタ2000GTなどの車両)を除き、当時の参加車両と同型車だ。AクラスからEクラスまでに分かれており、67年に製造されたスポーツカーまでが参加できる資格を持つ。
 
 その日本版である『ラ・フェスタ・ミッレ・ミリア』は今年で9回目を数えた。エントリーリストに名を連ねたのは106台の名車たちだ。戦前に栄華を誇ったブガッティやベントレー、アルファロメオやフェラーリ、アストンマーチンなどが出場している。

 ドライバーの顔ぶれも豪華だ。芸能界からの参加も多い。近藤真彦氏は67年式アルファロメオ・ジュリエッタで、堺正章氏は62年式のマセラティ200SIで挑んだ。また、木内みどりさんや西田ひかるさんも出場している。

 スタート地点は、ヤングの街として全国区になった原宿の明治神宮だ。昨年はどしゃ降りの雨に見舞われたが、今年は秋晴れの快晴である。明治神宮を12時にスタートし、六本木ヒルズアリーナに立ち寄り、そこから東北道を北上して猪苗代に向かった。4日後のゴールはヨコハマの元町だ。

 優勝したのは、1926年式のブガッティT35Aを駆る竹元京人/竹元淳子組だった。オメデトウ!
 
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常連、堺正章さんも参加

常連、堺正章さんも参加

 明治神宮の宮司さんが交通安全の祈願を行った後、1号車からスタートしていく。最初にスタートしたブガッティT35A(1926年製)が優勝車となった。ペナルティ考慮得点方式だから古いクルマでもハンディはない。

 このイベントの常連となった堺正章さんは元スパイダーズの井上堯之さんとともに1957年式のマセラティ200SIに乗り込んだ。結果はアストンマーチンの2リッタースポーツに続く総合21位だった。

幻の名車スタンゲリーニの508Sアラドーロ(1946年製)も登場!

幻の名車スタンゲリーニの508Sアラドーロ(1946年製)も登場!

 明治神宮の第3駐車場に、綺羅星のような名クラシックカーが並ぶ。特異な形のスポーツカーは、幻の名車の誉れ高いスタンゲリーニの508Sアラドーロ(1946年製)、その奥の赤い愛らしいコンパクトカーはフィアット500Bザカート・パノラミカ(1947年製)だ。