よく曲がり扱いやすい。だから、走りが気持ちイイ!
では実際走りの部分ではどう進化したのか?
エンジン自体には大きな変更点はないがエンジンマネジメントを最適化し、インプレッサ特有の低速域での扱い易さはそのままに中速域でのトルクをより向上させ、最大トルクを(43.0kg・m)まで高め、優れた走行性能を実現した。この程度の変更だが実際試乗してみると明らかにトルク感の違いを感じより速く、乗り易いエンジン特性になっていた。
トランスミッションにおいてもシンクロ部にカーボン材を燒結する事により強化してシフト操作力を低減し、シフトフィーリングを向上させた。
そしてメカ的な部分での今回の大きな変更点は「新DCCD」の採用だろう。「DCCD」とは電子制御AWDシステム(走行条件によりより適正な前後トルク配分にできるシステム)でインプレッサの武器になっている。
この「DCCD」が従来の電磁式LSDに加え制御のリニアさに優れるトルク感応型の機械式LSDの追加によりアクセル操作などによるトルク変化や路面状態の変化にもより細かく敏感に反応し高い旋回性能を可能にした。
それに加えオートモード付車にはステアリング切れ角からも車両の旋回状態を感知する蛇角センサーを追加し、そのセンサーがLSDと連動してドライバーの意思による忠実な操作性を実現した。
サーキットでのスポーツ走行試乗ではこのシステムの進化が体感できた。コーナー進入からクリップ付近ではLSDはニュートラル状態に近く、フロントノーズか綺麗に入って行く。そして立ち上がりでアクセルを踏むと同時にLSDが適度に効きだしアンダーステアや、オーバーステアがなく確実に前に進んでトラクションが掛かって行く。
前型と比べるとアンダーステアが確実に減って気持ち良くサーキットを走れた。これは「新DCCD」と共に各部の空力パーツの追加も大きな役割を果たしているだろう。
このように大きなマイナーチェンジを遂げたインプレッサ。もうすでにクラス以上の実力を兼ね備えていた。