安全性を無視した納得いかないCFを紹介しよう!

 クルマのTVCFを見ていて納得がいなかいモノがたくさんある。特に一般の人が多く見るTVCFはもっと慎重に作ってもらいたい。

 いくら世界のトップレベルの衝突安全性を誇っているクルマでも、シートベルトとヘッドレストを正しく使わなければその安全性能の恩恵を受けることはできない。だから自動車メーカーは正しくクルマに乗るというシーンを見せなくてはならない義務があるはずだ。CFに出てくるような乗り方が推奨されるなら、その乗り方で大した衝突でもないのに大怪我をしたり死んだりしたらPL問題に発展する。
 
 納得のいかないTVCFがこんなに多いというのは、自動車会社の中で安全に関しての見解が統一されていないという証明でもある。CFを製作する広告代理店の担当者が安全性に対する知識がなくても、自動車メーカー側がアドバイスしなくてはならない。開発部門だけが一所懸命に世界をリードする安全なクルマを創ったとしても、それを台無しにする映像をいま全国に送ってしまっている。

後席もシートベルトしないとダメです。トヨタ パッソ編

●トヨタ・パッソ
 前席の男女二人は「シートベルトよし」とか言って指差し確認をしているが、後ろの席に座るお母さんはシートベルトをしないで乗っているように見える。後席でもシートベルトをしなかったら、自慢の衝突安全ボディも役に立たないはずだ。

ケガ人だらけになるぞ! 3列目でもシートベルトを。日産セレナ編

●日産セレナ
 3列シートでたくさん乗れるということを強調したかったのかもしれないが、シートベルトもしないで大柄な女性コーラスグループが乗り込んでいる。完全にヘッドレストの高さも足りず、あの状態ならちょっとした衝突でも、怪我人だらけになってしまうだろう。

子供にはチャイルドシートが必要です! ダイハツ タント編

●ダイハツ・タント
 お母さん役で工藤静香が登場するが、ちょっと前のCFでは小学校低学年の子供がチャイルドシートない席へ乗り込んでいく。大人用のシートベルトができる体格になるまではCRS(チャイルド・レストレイント・システム)が必要なはずだ。道路交通法では罰則がなくてもクルマを造る側として必要なはずだから、それを見せて欲しかった。

ルーフより頭が出てる! マツダ ロードスター編

●マツダ・ロードスター
 外人がかっこ良くドライブしているシーンだが、どうみても頭が出過ぎている。ヘッドレストの高さというよりロールバーより頭が出ているようにも見える。横転したら致命傷になる可能性もある乗り方を見せても良いのだろうか。この乗り方をマツダは推奨するのだろうか。

大手広告代理店様、安全に関するCFへのアドバイス承ります

 この他にもまだまだクルマのCFでちょっとオカシイものがあったが忘れてしまった。皆さんもこれからクルマのCFを見たときには、ぜひともチェックをしていただきたい。

 実はクルマのCFだけでなく、他の商品でもクルマが出て来るCFもチェックしてもらいたい。後席でシートベルトをしていないものがほとんどだ。
電通、博報堂の担当者の方へ。菰田潔がTVCFの安全に関するアドバイスを高額で請け負います