正しいヘッドレストはこう使う

ムチウチで何年も苦しまないためにも・・・。

 ヘッドレストの本名を知っている人は少ない。頭(ヘッド)を休める(レスト)ための枕ではない。実はヘッド・レストレイントが本当の名前なのだ。レストレイントとは拘束するという意味。つまり追突されたときに頭が動かないようにして、頚椎捻挫(鞭打ち症)を防ぐための重要な安全装置のひとつである。しかしヘッドレストを正しく使っている人は少ないのが現状だ。

 自動車の衝突安全性というと前からぶつかるときと横からぶつかるときの実験風景が、カタログなどで紹介されている。

 しかし後ろから追突されたときの安全性に関しては、あまり大きく扱われていない。乗員の背中にはシートバックがあるから、身体に大きなダメージを受けるケースは少ないが、実は頚椎捻挫で完治するまでに何年も苦しむ人は少なくない。

ヘッドレストの正しい使い方とは?

 では追突されたとき、この頚椎捻挫を防ぐためにはどうすれば良いのかというと、ヘッドレストを正しく使うことが重要だ。
 
 ヘッドレストを正しく使うためには、頭が動かないように高さを合わせる必要がある。頭の重心点は耳の位置付近といわれているが、その後ろにヘッドレストの中心が来るようにする。座高の高い日本人はヘッドレストの位置に注意しないといけない。
 
 アクティブ・ヘッドレストなる最新テクノロジーのヘッドレストも普及してきた。追突されてバックレストに乗員の体重が掛かると、ヘッドレストが前方に動いて、より頭の拘束力を高めてくれるというものだ。しかしこれもヘッドレストの高さが頭に合っていないと、その効果が期待できなくなる。
 
 シートベルトをするのと同じくらい重要な安全装置であるヘッドレストを正しく合わせることが必要だ。これは後席も含めてすべての乗員に対していえることだ。追突されたときの衝撃は乗員全員に同じように作用するからだ。
 
 もし自分のクルマのシートに座ってヘッドレストの高さを合わせようとしたとき、自分の頭の高さまでヘッドレストが来ないようなら、胴が長すぎるかヘッドレストの高さが足りないということだ。どちらにしてもその体型には合わないということだから、すぐにクルマを買い換えたほうが良い。もちろん新しいクルマの選択はヘッドレストの高さをチェックしてからだ。