ライター紹介

221616 編集部

世の中の自動車ニュースとは一味違う視点でスローニュースを発信。編集部員はクルマ初心者からクルマをこよなく愛するマニアまで幅広いメンバーで構成。全国のガリバーで売れている中古車や車のスタッフレポートなど、生の情報をお届け中。

理想的レイアウトを持つ4WDシステム

ここまでAWDにこだわるメーカーが他にあっただろうか。なにせ、今売られているスバル レガシィシリーズは全てAWD車のみ。FF(前輪駆動)車は用意されていないのだから。雪道や悪路に強い・・・そんな一般的なイメージだけでは、このAWDへのこだわりの理由は導かれない。

そのワケは「シンメトリカルAWD(All Wheel Drive ※4輪駆動の意)」というスバル独自のレイアウトにある。これは、縦置き水平対向エンジンと左右対称(シンメトリー)に配置された駆動系の組み合わせによるものだ。
水平対向エンジンは、ピストンを縦やV型に配置するのでなく左右水平に向き合って配置したもので、重心が低く、軽量・小型にレイアウト出来るのが特長。日本ではスバルだけが採用するレイアウトだ。乗用車のエンジンは車両の前側に積み込まれる重量物なだけに、その大きさや配置場所は操縦性能に直接大きな影響を及ぼす。縦置き水平対向エンジンなら、その点で理想的というワケだ。

さらに、スバルの場合はパワートレーンを左右対称にレイアウトしたAWD形式とすることで、前後左右にもバランスの良い配置としている。つまりレガシィシリーズは、クルマの走る能力をさらに高める、素性の良いシステムを生まれながらにして持っているということになる。もちろん、その素性の良さをさらに生かす車体設計やサスペンションチューン、エンジン性能といったスバル開発陣のコダワリイズムもまた、レガシィの走りの良さを生み出している大きな要素なのは言うまでもない。

これが「シンメトリカルAWD」レイアウトだ。スバルが目指す理想がここに集約されている。

スバルのクルマづくりを象徴するWRC(世界ラリー選手権)参戦マシーンの雄姿。