フォルクスワーゲン グループ ジャパンは8月23日、フォルクスワーゲンの人気車種「ポロ」に、新しいブランドアイデンティティのフロントデザインを採用したモデルを、9月3日(土)より全国のフォルクスワーゲン正規ディーラーにて販売を開始すると発表した。
新型「ポロ」最大のハイライトは、なんといっても大きく生まれ変わったデザイン。フォルクスワーゲンが進める統一したイメージのフロントフェイスが採用されたモデルの、国内導入第一弾となる。フロントエンドにはブランドの新しい顔であるワッペングリルを採用。ワッペンとはドイツ語で紋章を意味し、16世紀以前は紋章を描いた盾という意味も含む。この“盾”をイメージさせるグリルにより、乗員をしっかりと守ることを表現しているとのこと。AピラーからボンネットへとつながるV字形のラインにより、フォルクスワーゲンの統一したブランドイメージを強く訴えている。
また、フロントデザインをさらに特徴づけているのは、ユニークな形状のヘッドランプ。台形デザインのハウジングに、円形エレメントの組み合わせで、直線と曲線をみごとに融合させている。
サイドシルエットは、従来型を踏襲しながらも、サイドウインカーをドアミラーのハウジングに一体化することで、よりスタイリッシュなボディラインを生み出すことに成功。また、2種類のボディがそれぞれ独自のテイストを有していて、4ドアは、リヤクォーターウインドウを持つシックスライトデザインにより、安定感を演出。一方2ドアでは、後ろにいくにしたがって緩やかな曲線を描きながらせり上がるウインドーラインが採用され、クーペを思わせるダイナミックなイメージを放っている。
さらに、リヤウインドー下端のロアフレームに採用されたゆるやかなV字デザインや、大型化したリング状のテールランプは、リヤエンドにスポーティな雰囲気をもたらしている。
ボディサイズは、全長が25mm延長され3,915mmとなったが、1,655mm(2ドア)/1,665mm(4ドア)の全幅と1,480mmの全高は従来型と同様で、デザイン、スペース、使い勝手の三要素を高次元でバランスさせている。ボディカラーは、ニューカラーのトッサブルーメタリックを加えた6色。インテリアカラーは標準ではアンスラサイト、オプションのレザーパッケージではアンスラサイトレザーとベージュレザーが用意されている。
エンジンは、従来型と同様にオールアルミ製の1.4リットルDOHC4気筒エンジンを搭載。この4バルブユニットは、55kW(75PS)の最高出力を発生、2,200rpmの低回転域から最大トルクの90%ものトルクを発揮する。一方、燃料消費はごく低いレベルに抑えられ、10.15モード燃費では14.2km/lをマークし、コンパクトカーならではの高い経済性をさらに向上させた。
このエンジンには、定評の4速オートマチックトランスミッションを採用。さらにエコノミー、スポーツと変速モードを自動的に切替えるDSP(ダイナミック シフト プログラム)が装備され、静かで経済的な走りから力強い走りまで、常に最適なシフトタイミングを実現する。
サイズにとらわれないボディの強さ、追求された安全性と品質
新型「ポロ」のボディは、強度の向上と軽量化を両立させる高張力鋼板や、接合強度に優れたレーザー溶接を積極的に活用し、高レベルのねじれ剛性を達成。これにより、ボディのきしみによる不快なノイズが大幅に抑えられる。また高いボディ剛性は、ボディパネル間のごく小さなギャップなど、エクステリアデザインにも大きく貢献している。
安全面では、走行中の不安定な挙動を防止、安全なドライブを効果的にサポートするESPを標準装備。コンパクトカーであっても、安全面に関しては手抜きなしという姿勢は、いまだESPがオプション装着もしくは設定なしという国産メーカーも見習って欲しいものだ。また、緊急時にブレーキ圧を高めて制動距離を短縮するブレーキアシストも搭載。さらに、カーテンエアバッグを含めた6エアバッグを標準装備するとともに、フロントの3点式シートベルトにフォースリミッタ−付きのシーベルトテンショナーを採用。助手席エアバッグにはカットオフスイッチを備え、リヤシートにはISOFIXアンカーも組み込まれている。
インテリアにおいても、運転時のストレスを軽減して安全性を高めるという考えに基づき、クオリティの向上や装備の充実が図られている。専用デザインが施された高品質なファブリックは、インテリアをよりモダンな雰囲気に演出。ステアリングホイールも4本スポークの新形状となっている。なお、オプションのレザーパッケージには、革巻き3本スポークステアリングホイールが装備される。オーディオシステムには、新たに8スピーカーのAM/FM CDプレーヤーが採用され、助手席のシーと下にはCDチェンジャーを装備することができる。
新型「ポロ」の価格は、先代と同じ、2ドアが178.5万円、4ドアは199.5万円。また、オプションとして人気のマルチメディアステーション(DVDナビゲーションシステム)の価格を3万6,750円引き下げ21万円とした。
1975年、欧州でデビューしたポロは今年で30周年を迎え、これまでに世界で870万台以上を生産。3世代目となる1996年から国内輸入が開始され、累計11万台弱を販売。ポロは1998年から2003年まで輸入コンパクトセグメントトップセールスとなった人気モデル。VGJでは新型「ポロ」導入により、昨今のユーザーの安全志向の高かまりに応えて、再びセグメントリーダーを目指していくとしている。