日野の大型観光バス「セレガ」が、15年ぶりのフルモデルチェンジだ

日野セレガ 新車情報

「HINOのバスだ」とひと目でわかる個性的スタイル

 バス・トラックの総合メーカー日野自動車は、大型観光バス「セレガ」シリーズを15年ぶりにフルモデルチェンジし、22日より発売した。
 まず目をひくのが新型セレガのスタイリングだろう。欧州の観光バスにもひけを取らない、堂々たるデザインに驚かされる。特に、フロントからルーフにかけて流れるゆるやかな曲線ライン「アクセントピラー」が目をひく。立体感ある断面形状と併せ、平板になりがちなバスのサイドビューを引き締めることに見事に成功していると言えるだろう。また、欧州のトレンドに則ったエアロフォルムのバックミラーステーも個性的だ。
 いっぽう、従来の観光バスのイメージを塗り替える室内の出来栄えにも驚かされる。入り口付近のらせん状乗降口やドーム天井、通路天井に配されたLEDファイバー照明、ルームラック下の間接照明など、エンターテイメント性を併せ持ったユニバーサルデザインを採用している。
 デザインコンセプトは「弾けるような元気・・・そして、おもてなしの心」。ひと目で「HINOのバスだ」とわかる個性を目指したという。
 なお今回は「スーパーハイデッカ」「ハイデッカ」の2シリーズが先行発売で、全長9mクラスの「ハイデッカショート」シリーズは来年発売予定とのことだ。

平成17年新長期排出ガス規制に適合

 メカニズムについても、大幅に刷新された。エンジンについては、従来のセレガRに積まれていたV型8気筒エンジンから、新世代のクリーンディーゼル、直列6気筒「E13C」エンジンに変更している。このエンジンは、日野独自のクリーンディーゼルシステム「DPR」をさらに進化させたもので、新型高圧コモンレール式燃料噴射システムや、電子制御式高効率クールEGR、電子制御式可変ノズルターボなどの採用によりNOx(窒素酸化物)、PM(粒子状物質)を大幅に低減しており、世界でも最も厳しいと言われる新長期(平成17年)排出ガス規制に適合している。
 安全性能についても、新世代にふさわしい内容となっている。特に、客室の安全基準「ECE基準R66(ロールオーバー性能)」に準拠した「スタイリッシュセーフティボデー」により、万が一の横転時の被害を最小限に抑制しているほか、アクティブ面、パッシブ面ともに高い安全性を確保しているのが頼もしい。
 新型エンジンの採用による約13パーセントの燃費向上(日野社内調べ・従来型比)や新型エアコン採用による空調性能の向上などにより、バスの「生涯」コストも大幅に低減できる「お役立ち」バスだ。コレはバス事業主にとって、なによりの高性能といえるだろう。

【ラインナップは3タイプ】

 ラインナップは、最上級のスーパーハイデッカのほか、ハイデッカ、そして近年成長著しい都市間路線バス仕様(トイレ付き)と、大きく3タイプに分けられている。
 価格は、一般観光タイプ57人乗りのスーパーハイデッカADG−RU1ESAAで4272万4千5千円(税込み)。
 販売台数は日野セレガシリーズ合計で年間650台を目標としている。

代表グレード
スーパーハイデッカ ADG−RU1ESAA
エンジン形式
E13C<ET-X>
総排気量[cc]
12913cc
エンジン
直列6気筒インタークーラーターボ
最高出力[ps(kw)/rpm]
460ps(338kW)/2000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
165kg・m(1618N・m)/1300rpm
ミッション
6速MT
定員[人]
57人乗り
税込価格[万円]
4272.45万円
発売日
2005年8月23日
レポート
徳田 透(221616.com編集部)
写真
日野自動車株式会社