フットワークはユルめ。エンジンは中低速重視で扱いやすいのが美点。
搭載エンジンは従来あった2.5Lが廃止されて直列4気筒2Lに一本化された。これにエクストロニックCVTが組み合わされる。厳密にいえばFFと4WDではエンジンのチューニングが異なるが、基本的にエンジンとトランスミッションはひとつの組み合わせだけとなる。FFをベースにスタンバイ方式のオールコントロール4WDも設定される。
搭載される4気筒2LのMR20DE型エンジンの実力はFF車が101kW/200N・m。4WD車では数値が少し低くなるが、2Lエンジンとしてはまずまず平均的な実力といえる。パワーの数字は大したことがないのだが、中低速域を含めてしっかりしたトルク性能を発揮することで、小型ミニバンの中でもかなり重いボディを苦にしない走りを示す。
無段変速のエクストロニックCVTがエンジン性能を効率的に引き出してくれるので、エンジン性能にも余裕が感じられる。富士山周辺の山道でも、急な坂道をのぼるとき以外は動力性能に不満を感じることはなかった。
足回りはかなり柔らかめの印象。ファミリーユーザー向けのミニバンとしては当然の味付けといえるが、コーナーでのロールは大きめに出て、ワインディングを元気良く走るような性格のクルマではない。
●お勧めグレード
今回のセレナにはハイウェイスターの設定がなく、RS/RX系がこれに代わるスポーティグレードとなるが、これらは必ずしもお勧めではない。むしろ標準系の20Gまたは20Sのほうがお勧めだ。装備が充実した上級グレードの20Gのほうが満足度が高いが、セレナではカーナビを始めとしていろいろなオプションを装着する必要があるので、エントリーグレードとなる20Sをベースに仕様の充実化を考えるのが賢い買い方になりそうだ。オプションは目一杯に装着すると100万円を軽くこえることになる。