速さを全く感じさせない爆発的なポテンシャルを持つ
最後に「どうしても走りが気になる!!」という方に、補足として両車の試乗インプレッションを述べるので参考にしていただきたい。特に、V8エンジンを搭載した《GS430》の動力性能は皆さんも気になるところだと思うので、トヨタのテストコースで試作車を試乗してきたという自動車評論家・松下 宏氏の最新インプレッションを引用しながらお届けする。 エンジン性能に関しては、既に《セルシオ》や《クラウン マジェスタ》に搭載されているモノと同じため、その動力性能に関しての不満はありそうにない。その爆発的なポテンシャルに関して松下氏は『速さを実感させないうちに超高速域に入っているので、スピードメーターを見て驚くほどだ!!』とコメントしている。
急ブレーキにも対応するあの最新システムを標準装備
注目はVSCとABS、TRCなどのシステムを統合した「VDIM」(ビークル・ダイナミクス・インテグレーテッド・マネジメント)が標準装備される点。この「VDIM」と電子制御パワーステアリングとが組み合わさり「アクティブステアング機能」となると、『サーキットのような路面で急ブレーキを踏んでも安定した姿勢で停止することができる』(松下氏)ということだ。私としては、BMW等を意識した欧州車的な味付けが施され、若干タイトかつ高速安定性を重視した設計となっていることだろうと予想しており、それを早く量産車で確認してみたい。個人的に最も気になるのは、「どれほど高いスタビリティーを発揮するのか?」という点だ。果たして、欧州車のような路面に吸い付くような走りとコーナリングを披露してくれることを祈っている。 |
|
胸の高なりと抑えきれない6気筒の感触
先代の《E46型》から搭載された「バルブトロニック」を、この《E90型》では6気筒モデルにも採用。個人的にこのエンジンには大変に興味があった。 E46の《318i》で体感したあのスムーズで心地イイ加速感、3000回転あたりで緩やかに流しながら徐々にアクセルを踏み込んでいった時のあのスムーズで何とも心地イイ加速感がBMWのステアリングを握るたびに呼び起こされてならないからだ。あれほど快感を覚えたエンジンはない。あの感動を6気筒でも味わえるのかと思うと、胸の高鳴りを抑えることはできなかった。
《E46》から踏襲された、あの心地イイ加速感が再び!!
エンジンをかけ、シフトをDレンジにスライドさせる。アクセルを踏み込みゆっくりとスタートさせてみる。徐々に加速しながらタコメーターの針が3000回転を指す、そこから3速をキープしたまま徐々にアクセルを踏み込む。「きた!!」。E46で感じた時と同じあの心地良い加速感。もちろんパワーもトルクも勝る《330i》のエンジンで味わう方が、よりエキサイティングなイメージを植え付けてくれた。まさに「ニューシルキーシックス」。この感動を味わえるだけでもBMWに乗る価値はあると思う。 |
|